大久保良順

大久保 良順の生涯と業績

大久保 良順（おおくぼ りょうじゅん）は、1915年9月11日に神奈川県平塚市で生まれました。天台宗の僧侶であり、大正大学の長としてその名を知られています。2010年10月28日に彼は95歳でこの世を去りましたが、その功績は現在も評価されています。

教育と職歴

1938年、大久保は大正大学の文学部仏教学科を卒業しました。その後、1940年には同大学院を修了し、専門的な知識を深めました。彼は天台宗の住職として天王寺に奉職し、後に大正大学で助教授となり、教授、さらには1985年には学長として大学教育に貢献しました。彼の指導により、大正大学は仏教教育の拠点としての地位を確立しました。

大久保はその後、天台宗の大僧正としても影響力を持つ存在となり、三十三間堂本坊・妙法院の門跡を務めました。また、名誉門主として多くの僧侶に指導を行い、宗教界にも貢献しました。彼の甥にあたる大久保良峻もまた、宗教界での活躍が知られています。

受賞歴

1987年、大久保はその功績を讃えられ、勲三等瑞宝章を受章しました。この栄誉は、彼の長い人生と多岐にわたる業績を物語るものです。

著書と共編

大久保は教育者としてだけでなく、著述家としても知られています。彼の著書には、仏教に関するさまざまなテーマが取り上げられ、多くの人々に影響を与えました。主な著作には以下のものがあります：

• - 『観音経入門』（大蔵出版 大蔵新書、1977年）: 観音経の理解を深めるための入門書です。
• - 『一乗要決』（仏典講座 大蔵出版、1990年）: 一乗思想について詳述した書籍です。
• - 『法華経の教え 戸津説法』（春秋社、1997年）: 法華経に関連した教えとその解釈についての作品です。

また、彼は共編者としても数多くの作品に携わっています。*

• - 『天台宗史概説』補注（硲慈弘、大蔵出版、1969年）
• - 『日本仏教の宗祖』（金岡秀友と共編著、東京堂出版、1977年）
• - 『仏教文学を読む』（講談社、1986年）
• - 『國譯一切経 和漢撰述部 諸宗部 3 改訂摩訶止観』（田村德海訳、大久保校訂、大東出版社、新版2005年）
• - 『日本思想大系9 天台本覚論』（多田厚隆・田村芳朗・浅井圓道と共校注・解説、岩波書店、1973年）
• - 新版『原典日本仏教の思想 続2 天台本覚論』（1995年）

記念論文集

彼の傘寿を記念して、多くの研究者たちがその業績を振り返る論文集が発行されています。

• - 『仏教文化の展開 大久保良順先生傘寿記念論文集』（山喜房仏書林、1994年）

大久保 良順は、ただの僧侶や学者ではなく、仏教教育と文化の発展に寄与した偉大な思想家でした。彼の思索や指導は、今後も多くの人々に影響を与えることでしょう。

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