大伴手拍

大伴手拍（おおとも の たうち/てうち/てがしわ）

概要

大伴手拍は、飛鳥時代から奈良時代にかけて活躍した貴族で、姓は宿禰です。最終的には従四位下・造宮卿という高い官位を持っていました。彼の生涯と功績は、古代日本の政治や文化の発展に大きく寄与しました。

経歴

大伴手拍の経歴は、持統天皇3年（689年）に始まります。この年、彼は皇子の施基や佐味宿那麻呂、羽田斉、伊余部馬飼、調老人、巨勢多益須と共に撰善言司に任じられました。この任命を受けた時、手拍の冠位は務大参（従七位上に相当）であり、当時の大伴氏の氏上は大伴御行でした。

文武天皇2年（698年）には、大嘗祭のために物部氏の榎井倭麻呂と共に大楯を設置し、手拍は楯と桙を立てました。この伝統的な行事は、古くから続く軍事の氏族である物部氏と大伴氏のコラボレーションを象徴するもので、大嘗祭の恒例行事として意義深いものでした。この際、手拍は直広肆（従五位下に相当）の冠位を持っていました。

大伴御行が没した後、手拍は大伴家の次代の氏上である安麻呂に続く形で、同年の大宝令施行に伴い正五位下に叙せられました。その後、彼は慶雲2年（705年）に尾張守に任ぜられ、さらに重要な役職へと昇進します。

和銅元年（708年）、平城京への遷都を命じる詔が出ると、彼は造宮卿に任命され、大規模な造都事業を担う重要な役割を果たしました。和銅2年（709年）には従四位下に昇進し、和銅3年（710年）には実際に遷都が実施されましたが、この時には内裏や大極殿、その他の官舎が整備されている段階であり、手拍は引き続き造宮卿として工事に従事しました。彼の努力は、平城京の基盤を築く上で不可欠なものでした。

惜しくも和銅6年（713年）9月17日に手拍はこの世を去りました。その際の最終官位は造宮卿従四位下というもので、彼の死後もその功績は後世に語り継がれています。

官歴

• - 時期不詳：務大参（従七位上に相当）
• - 持統天皇3年（689年）6月2日：撰善言司
• - 文武天皇2年（698年）11月23日：直広肆（従五位下に相当）
• - 時期不詳：正五位下
• - 慶雲2年（705年）5月8日：尾張守
• - 時期不詳：正五位上
• - 和銅元年（708年）3月13日：造宮卿
• - 和銅2年（709年）1月9日：従四位下
• - 和銅6年（713年）9月17日：卒去（造宮卿従四位下）

大伴手拍はその官歴を通じて、古代日本の政権における重要な人物としての地位を確立しました。彼の活動は、政治や文化の発展に寄与し、日本史において重要な役割を果たしたのです。

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