大分文化会館

大分文化会館の概要

大分文化会館（おおいたぶんかかいかん）は、1966年10月に大分県大分市荷揚町に開館した多目的ホールです。この施設は、大分市が運営し、様々な文化イベントや地域行事に利用される重要な場所でした。開館当初は、公共施設として大ホールを持つ貴重な存在であり、大分教育会館のみがその役割を担っていました。しかし、教育会館は老朽化が進んでいたため、施設の必要性が高まりました。

大分文化会館の設立に向けては、府内城の西丸跡に建設されることが決定され、そのプロジェクトは1965年に着手されました。1966年の開館に先立って、当会館の建設と同時に府内城の大手門および隅櫓の復元作業も行われました。これにより、地域の歴史的価値も一層高まりました。

開館以来、当会館は成人式やコンサート、演劇など多彩なイベントが開催され、人々に愛される場所となりました。また、1990年から2001年までの間には、結婚式場としても利用され、延べ3,363組が挙式を行いました。特に1967年には、63万6,984人の利用者を記録し、その後も安定した利用者数を維持していました。

しかし、1977年に大分県立芸術会館が開館し、さらに1986年にはコンパルホール、1998年にはOASISひろば21が開館したことから、イベントが分散し始めます。このため、大分文化会館の利用者数は次第に減少し、2000年代に入ると年間利用者は10万人台後半にまで落ち込みました。

2013年には、より大規模なホールを備えるホルトホール大分が開館し、これを受けて大分文化会館は閉館の運命を辿ることとなりました。2013年10月31日に閉館した際、延べ1,700万人以上の人々がこの場所を訪れたことが記録されています。

閉館後、建物は2014年に解体が開始され、同年8月に工事が完了しました。解体後は、暫定的に市役所の駐車場として利用されましたが、跡地の具体的な利用方法については未定の状態です。

また、大分市では1993年に、文化会館の解体後に地域の発掘調査を行うことを計画しました。長期的には府内城の復元を目指していましたが、経済状況や他の要因により、この構想は実現の見通しが立っていません。

施設概要

大分文化会館には大ホールと2つの小ホールがありました。大ホールの収容人数は2077人で、固定席は1,876席ありました。特に、この大ホールの緞帳は大分市出身の画家である高山辰雄による「明ける海」という作品が使用されていました。その他に、150人収容の第1小ホールと200人収容の第2小ホールも完備されていました。

建物は地下1階、地上3階で、鉄筋コンクリート構造（一部鉄骨構造）で建設され、総建築面積は約7,100平方メートルに達しました。

交通アクセス

大分文化会館へのアクセスは、JR九州日豊本線の大分駅から徒歩15分で、また、大分バスを利用することで合同新聞社前停留所または県庁前停留所から徒歩1分という便利な立地でした。このように大分文化会館は、数十年にわたり地域文化の発展に寄与してきました。

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