大島忠一

大島 忠一

大島 忠一（おおしま ただかず）氏は、1949年8月15日に愛知県丹羽郡岩倉町（現在の岩倉市）に生まれ、少年時代を同県名古屋市熱田区で過ごした元プロ野球選手およびコーチです。右投げ右打ちの捕手として活躍しました。

アマチュア野球での輝き

地元の名門、中京商業高校（現：中京大学附属中京高等学校）に進学。2年生だった1966年には、チームが春夏の甲子園大会で歴史的な連覇を達成したメンバーの一員となります。この時、大島氏は控え捕手として春の選抜大会に出場し、全国の舞台を経験しました。1年上には、後にプロの世界に進む矢沢正氏や加藤英夫氏、平林二郎氏、伊熊博一氏といった実力者がいました。

翌1967年には3年生となり、正捕手、そして三番打者として夏の甲子園大会に再び出場。同期のエース川口勉氏の力投にも支えられ、チームは準決勝まで勝ち進みます。しかし、惜しくもエース石井好博氏を擁する習志野高校に2対3で敗れ、決勝進出はなりませんでした。このチームには、二塁手の望月博氏、中堅手の渡辺幸三氏といった同期や、1年下に右翼手の星山和久氏、控え投手の水谷則博氏らがいました。

高校卒業後、中京大学へ進学。愛知大学野球リーグでは、入学初年度の秋季リーグから卒業まで6季連続で優勝という偉業を成し遂げます。1970年には、エース榎本直樹氏とのバッテリーで全日本大学野球選手権大会に出場し、決勝で関西大学を下してチームを初の全国制覇に導きました。大学リーグ戦での通算成績は、69試合に出場し197打数56安打、打率.284、6本塁打、35打点という記録を残しています。特に捕手としての評価は高く、ベストナインには4回選出されています。

プロ野球での歩み

大学での実績が評価され、1971年のプロ野球ドラフト会議で阪神タイガースから7位指名を受け、入団しました。プロ入り後、二軍で4年間じっくりと研鑽を積み、1976年に待望の一軍初出場を果たします。当時の阪神タイガースには田淵幸一氏や片岡新之介氏といった実績のある捕手がいましたが、大島氏は彼らに次ぐ第3の捕手としてチームのブルペンを支え、特に代打での起用が多く、勝負強い打撃で存在感を示しました。

1977年には、自己最多となる48試合に出場。同年5月19日、阪神甲子園球場で行われた対中日ドラゴンズ戦では、7対7の同点で迎えた延長10回裏、代打として打席に立ち、相手投手鈴木孝政氏からプロ入り初となる本塁打を放ちました。この一打がサヨナラ本塁打となり、チームに劇的な勝利をもたらしました。翌1978年4月1日には開幕戦での代打本塁打を記録するなど、代打の切り札としての地位を確立しました。また、同年シーズン後半には、正捕手である田淵氏の欠場に伴い、8試合で先発マスクを被るなど、守備でもチームに貢献しました。

1983年シーズンからは選手兼コーチ補佐を兼任。同年シーズン終了後に現役生活に終止符を打ちました。1984年もコーチ補佐としてチームに尽力しましたが、同年限りで阪神タイガースを離れています。

記録

プロ野球での主な記録は以下の通りです。

初出場：1976年7月29日、対ヤクルトスワローズ18回戦（阪神甲子園球場）、5回裏に代打として出場
初安打：1976年7月31日、対読売ジャイアンツ13回戦（阪神甲子園球場）、9回裏に新浦寿夫氏から
初先発出場：1976年10月18日、対大洋ホエールズ26回戦（阪神甲子園球場）、6番・捕手として先発出場
初打点：上記初先発出場試合の8回裏、奥江英幸氏から決勝適時打
初本塁打：1977年5月19日、対中日ドラゴンズ9回戦（阪神甲子園球場）、10回裏に代打として出場、鈴木孝政氏からサヨナラソロ本塁打

背番号

46 （1972年 - 1983年）
77 （1984年）

関連情報

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* NPB.jp 日本野球機構による個人年度別成績

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