大歩危駅

大歩危駅について

大歩危駅（おおぼけえき）は、徳島県三好市西祖谷山村にある四国旅客鉄道（JR四国）土讃線の駅です。駅番号はD27で、土讃線において徳島県の最終駅となっています。近隣には大歩危の渓谷があり、美しい自然を楽しめる場所でもあります。駅を下ると次の駅である土佐岩原駅へと進み、徳島県と高知県の県境を越える最長トンネルである大歩危トンネル（全長4,179m）が存在します。

駅の特徴と施設

駅構内には遊歩道が設けられており、大歩危の美しい自然を眺めることができます。駅の名前の由来から「オオボケ・コボケ」と呼ばれることも多く、話題やメディアで取り上げられることが少なくありません。また、作家の阿川弘之氏による著書『大ぼけ小ぼけ』も有名です。

特急列車は全て当駅に停車し、観光特急「四国まんなか千年ものがたり」も週末を中心に走っています。加えて、阿波池田駅方面からの折り返し列車も多く設定されています。駅の無人化に伴い、地元の住民たちによって結成された「JR大歩危駅活性化協議会」が、清掃や植樹、観光列車のお出迎えなどを行い、地域活性化を図っています。この取り組みによって、コロナの影響を受けずに、観光客が増加し続けています。

大歩危駅の歴史

この駅は1935年に、阿波赤野駅として開業しました。その後、1950年に現在の大歩危駅に改名され、続いて貨物取り扱いが廃止されるなど、時代とともに変遷を経てきました。そして1987年に国鉄分割民営化に伴い、四国旅客鉄道の駅となります。1990年代には駅員配置が縮小され、2010年には完全無人化が実施されました。

長い歴史の中で、駅舎内に観光案内所が設置され、観光客へのサービス向上が進められています。特に2011年には地元の妖怪「こなきじじい」が駅長に就任し、さらに話題となったこともありました。

駅の構造

大歩危駅は、単式ホーム1面と島式ホーム1面を有する地上駅です。ホームは合計で3線あり、駅舎とホームは踏切で連絡しています。利用者は比較的少ないものの、観光客にも開放された駅内には大型荷物用のコインロッカーや簡易的な自動券売機が設置されています。しかし、トイレは駅構内にはないため、駅舎横に設けられています。

また、この駅は周辺観光施設へのアクセスも良好であり、観光遊覧船や温泉地にも近く、観光客には便利な拠点となっています。多様なバス路線も整備されており、JR四国バスや三好市営バスが駅と周辺を結んでいます。

利用状況

近年の利用状況は減少傾向にあり、2019年度の一日平均乗車人員は71人となっていますが、観光特急などの利用で賑わいを見せることもあります。

大歩危駅周辺は、自然美や歴史を感じることのできる観光名所が多く、訪れる価値があります。駅を出てすぐのバスでかずら橋や温泉地へ移動できるため、観光客にとって非常に魅力的な地点と言えるでしょう。

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