大江捨一

大江捨一の生涯と功績

大江捨一（おおえ すていち、1901年 - 2001年9月26日）は、日本の著名な牧師であり、宗教界において大きな影響を与えた人物である。彼はホーリネス教会、のちにアライアンス教会で活動し、その発展に多大な貢献を果たした。

初期の人生

1901年、鳥取県米子市に生まれた大江捨一は、米子郵便局員だった父・大江邦治の息子として育った。捨一は早くから父と共に伝道活動に参加し、1915年に日本ホーリネス教会鹿児島復活教会でキリスト教の洗礼を受けた。この経験が彼の牧師としての道を開くことになる。

ホーリネス牧師としての活動

捨一は聖書学院に入学し、専門的な教義や信仰について学んだ。1926年には、ホーリネス教会の指導者・中田重治の長女・中田陸奥と結婚し、その年に奈良教会の教師として就任した。彼はその後、滋賀県大津市、長崎県長崎市、岡山県津山市、東京府で牧師として使命を担うこととなった。

同年、父の邦治も日本ホーリネス教会に転入し、教団の発展に尽力する。捨一は、1933年に生まれた息子・大江寛人と共に、家族で信仰の道を歩んでいくことになる。

きよめ教会とその後

1936年、ホーリネス教会内での分裂により、中田監督派のきよめ教会に所属するようになった。1939年には、中田重治の臨終の際に、後継者の一人として重鎮の役割を果たすこととなる。しかし、1941年にはホーリネス弾圧事件の影響で、治安維持法違反の嫌疑をかけられ、東京巣鴨拘置所に拘留される。1943年にはホーリネス系教会が解散命令を受け、彼自身も牧師を辞職せざるを得なかった。その後は、戦後にコロムビアレコード会社で新たな道を歩むことになる。

アライアンス牧師としての貢献

1949年、捨一はメーベル・フランシス宣教師の招きにより広島アライアンス教会の牧師に就任し、父・邦治と共に奉仕する。1961年には、新改訳聖書刊行協力会のメンバーとなり、聖書の普及に尽力した。1962年には、邦治の引退に伴い、彼が日本アライアンス教団理事長および日本アライアンス聖書神学校の校長として新たな役割を果たすことになる。

牧師引退後と最晩年

1973年、長きにわたる牧師としての職務を終え、広島アライアンス教会の名誉牧師となった。1999年には愛媛県北条市に転居し、その地で静かな生活を送った。2001年9月26日、北条市の北条病院にて99歳の生涯を閉じた。彼の人生と信仰への献身は、多くの人々に影響を与え続けている。

参考文献

• - 米田勇『中田重治伝』
• - 山口幸子『ホーリネスの流れ』

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