大法寺
大法寺(だいほうじ)は、
長野県小県郡青木村にある
天台宗の
寺院です。
山号を一乗山と称し、
本尊は
釈迦如来です。特に、
国宝に指定されている
三重塔は、その美しい姿で知られています。
歴史
大法寺の創建は、寺伝によれば奈良時代の大宝年間(701〜704年)に、
藤原鎌足の子である定恵によって開かれたとされています。しかし、定恵の生きた時代と大宝年間にはずれがあるため、実際には、近くにあった
東山道の浦野駅に関係する寺として創建されたと考えられています。いずれにしても、奈良時代に創建された信州でも有数の古刹であることに変わりはありません。
平安時代には、周辺地域が牧場として栄え、大法寺は牧場関係者からの崇敬を受けました。この時期に造られた
重要文化財の
十一面観音菩薩立像や普賢菩薩立像は、
平安時代独特の作風を今に伝えています。
鎌倉時代には、地域の有力な
地頭からの崇敬を受け、
国宝の
三重塔や
重要文化財の
厨子、
須弥壇などが造られました。特に、浦野氏や北条氏といった
地頭の支援が大きかったとされています。
江戸時代には、戸隠の勧修院の末寺となり、天台修験による山岳
仏教の寺として発展しました。
文化財
大法寺には、数多くの文化財が所蔵されています。中でも特に重要なものとして、以下のものがあります。
三重塔: 山腹の一番高い場所に位置する和様の三重塔で、鎌倉幕府が滅亡した1333年に建立されました。その美しい姿は、訪れる人々を魅了します。
木造十一面観音及び脇侍普賢菩薩立像: カツラ材の一木造で、
平安時代10世紀後半に造られました。この地域では最古の仏像とされ、観音堂に安置されています。
厨子及び須弥壇: 室町時代に作られた禅宗様の厨子で、上部にある鯱は木製のものとしては日本最古と考えられています。
鰐口: 南北朝時代の終わりに作られたものです。
かやの木: 1511年に本堂が再建された際に植えられた、樹齢500年を超える大木です。この木から採れるかやの実が、大法寺の名物として売られています。
所在地
長野県小県郡青木村当郷2052
近隣情報
大法寺の周辺には、以下の観光スポットがあります。
青木村歴史文化資料館
東昌寺
浦野駅 東山道浦野駅家(うまや)跡推定地: 現在は「浦野駅跡公園」として整備されています。
大法寺のある
塩田平周辺は、「信州の鎌倉」とも呼ばれ、
鎌倉時代から室町時代にかけての中世の文化財が数多く残っています。
安楽寺: (国宝)八角三重の塔
常楽寺: (重文)石造多宝塔
前山寺: (重文)三重塔
中禅寺: (重文)薬師堂
信濃国分寺:(重文)三重塔
龍光院
交通アクセス
北陸新幹線・
しなの鉄道上田駅お城口1番のりばから
千曲バス青木線に乗り、「当郷」停留所で下車(バス所要時間約30分)。停留所から徒歩約15分です。
外部リンク
【公式】大法寺 国宝 見返りの塔
青木村郷土美術館 - 大法寺境内に建てられた郷土作家中心の美術館