大石保

大石保：海軍軍人としての生涯

大石保（おおいし たもつ、1900年1月28日 - 1946年2月13日）は、日本の海軍軍人であり、最終階級は海軍少将でした。高知県出身で、激動の時代を生きた軍人です。

生い立ちと海軍入隊

1900年、大石保は高知県で大石寛の長男として生まれました。中学海南学校を経て海軍兵学校に進み、1920年7月に卒業（48期）。翌1921年6月に海軍少尉に任官し、軍人としての道を歩み始めました。

軍歴の初期

海軍では、砲術や航海術を学び、着実にキャリアを重ねていきました。1923年12月に海軍中尉、1925年12月には海軍大尉に昇進。海軍大学校航海科で専門知識を深めました。その後、「浦風」航海長、「迅鯨」航海長、「対馬」航海長などの要職を歴任し、航海術のエキスパートとしての地位を確立していきます。

海軍大学校での研鑽

1930年12月、大石は海軍大学校甲種30期生として入学し、さらに高度な戦略・戦術を学びました。1932年11月に卒業後、「神通」水雷長に就任。その後も、軍令部や連合艦隊で参謀として活躍し、組織の中枢で重要な役割を果たしました。

太平洋戦争と主要な作戦

1941年4月、大石は第1航空艦隊首席参謀に就任し、太平洋戦争開戦を迎えます。真珠湾攻撃、セイロン沖海戦、ミッドウェー海戦といった重要な作戦に参加。しかし、ミッドウェー海戦での敗北は、その後の戦争の行方を大きく左右することになります。

戦局の悪化と特攻

1942年7月、海軍大学教官に就任し、後進の育成に尽力。その後、「愛国丸」艦長を経て、1943年6月には海軍省兵備局第3課長兼運輸本部総務課長に就任しました。戦局が悪化する中、1944年4月には、戦闘機による大型機に対する体当たり特攻の実施を山本善雄に要望するなど、なりふり構わぬ状況であったことが伺えます。

終戦とその後

終戦間際には、「笠置」艤装員長、海軍航海学校教頭、横須賀突撃隊司令などを歴任。終戦後の1945年11月、予備役に編入されましたが、すぐに充員召集され、第二復員官・佐世保地方復員局艦船運航部長に就任。しかし、戦後の混乱の中、1946年2月に職務中に亡くなりました。その功績により、海軍少将に進級しています。

大石保は、激動の時代を海軍軍人として生き、数々の重要な作戦に参加しました。彼の生涯は、日本の海軍史における重要な一ページとして記憶されるべきでしょう。

参考文献

沢翠峰、尾崎吸江共著『良い国良い人（東京に於ける土佐人）』青山書院、1917年
秦郁彦編『日本陸海軍総合事典』第2版、東京大学出版会、2005年
外山操編『陸海軍将官人事総覧 海軍篇』芙蓉書房出版、1981年
福川秀樹『日本海軍将官辞典』芙蓉書房出版、2000年

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