大興寺 (三豊市)

大興寺について

大興寺（だいこうじ）は、香川県三豊市の小松尾山に位置している真言宗善通寺派の寺院です。この寺院は、薬師如来を本尊としており、四国八十八箇所の第67番札所にあたります。境内は静かで、歴史を感じさせる雰囲気が漂っています。

歴史

大興寺は、天平14年（742年）に東大寺の末寺として創建されたと伝えられています。その後、最澄の影響を受けて天台宗へ転宗しましたが、火災により失われた諸堂は、嵯峨天皇の勅命によって、空海（弘法大師）によって弘仁13年（822年）に再興されました。この時に本尊の薬師如来と脇侍の不動明王、毘沙門天が刻まれ、新たに堂宇が建立されました。この寺院は、空海と最澄の教えが息づく修行の場として栄えてきました。

天正年間（1573年–1592年）には、長宗我部元親の火災によって本堂以外が焼失したとされ、慶長2年（1597年）には現在の小松尾に移転しました。その後も本堂は数回の再建を経て、現在の本堂は寛保元年（1741年）に再建されたものです。境内南側には熊野三所権現も祀られており、住職が別当を兼ねていることが明治時代まで続きました。

境内の特徴

山門（仁王門）は文保2年（1318年）に建立され、その後寛政8年（1796年）に再興されました。仁王像は鎌倉時代中期に造られ、四国で最大のものとされています。本堂は1741年に作られ、本尊や脇仏の不動明王、毘沙門天が祀られています。さらに十二神将が両脇陣に配置され、閻魔大王なども背後に祀られています。60年に一度行われる本尊の御開帳も見どころの一つで、最近では2017年に開催されました。

また、境内には大師堂や天台大師堂、石造五輪塔、熊野三所権現、鐘楼など、歴史的な価値のある建物が点在しています。特に、相生の松や三鈷の松は訪問者に人気のスポットです。さらに境内内に詠碑もあり、歴史と文化を感じさせます。

文化財

大興寺には多くの文化財が存在し、その中には重要なものも含まれています。国の史跡として認定されている讃岐遍路道があり、香川県に指定された有形文化財として木造の薬師如来坐像や天台大師坐像、金剛力士像などがあります。

また、三豊市には大興寺に関する史跡や自然記念物もあり、特に小松尾寺のカヤは樹齢約1200年という貴重な存在です。訪問者はこのような文化財を通じて、地域の歴史を体感することができます。

交通アクセス

大興寺へのアクセスは、JR予讃線の観音寺駅から約7.3km、国道377号からも近く、交通の便が良い場所にあります。駐車場も完備されており、車で訪れることが可能です。

このように、大興寺は深い歴史と文化を持ち、四国八十八箇所の一部として訪れる価値のある場所です。訪れる際は、歴史と静寂な空間を楽しむことができるでしょう。

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