大谷光真

大谷光真

大谷光真（おおたに こうしん）氏は、1945年8月12日生まれの浄土真宗本願寺派第24世門主です。法名は釋即如（しゃくそくにょ）を名乗ります。

人物

父である勝如上人（大谷光照）が戦時下を過ごしたのに対し、大谷光真氏は戦後の高度成長期に新門（門主後継者）として青年時代を送りました。各界の著名人との対話を通じて社会問題への関心を示し、学生運動の影響も受けていたと推察されます。

1977年4月、勝如氏の門主引退に伴い、31歳で本願寺住職および龍谷門主に就任。全国500以上の組（そ）を巡教し、海外の開教区へも頻繁に足を運ぶなど、精力的な活動を展開しました。近代の新宗教を除けば、日本有数の巨大宗教教団の指導者として、社会問題や国際情勢に対する積極的な発言は特筆に値します。

1990年代以降、オウム真理教問題などを背景に宗教への社会的な不信感が高まる中、宗門外の場でも積極的に発言を行いました。2006年にはインター・アクション・カウンシルにオブザーバーとして参加し、世界の宗教指導者や政治家OBに向けて提言を行っています。また、2007年には読売新聞社主催の立命館大学での連続講義「現代社会と宗教」において、学生との対話も行いました。

経歴

1945年 - 本願寺第23世勝如の長男として京都市に生まれる。
1960年 - 得度。
1964年 - 麻布高校卒業。
1967年 - 東京大学文学部宗教学科卒業。
1969年 - 東京大学大学院文学研究科修士課程修了（インド哲学）。
1970年 - 浄土真宗本願寺派新門・本願寺新門に就任。
1971年 - 田中範子（現：浄土真宗本願寺派「前裏方」、本願寺「前坊守」）と結婚。
1972年 - 龍谷大学大学院文学研究科修士課程修了（真宗学）。
1977年 - 浄土真宗本願寺派第24世門主・本願寺住職就任。長男・大谷光淳（現門主）誕生。
1978年 - 全日本仏教会会長就任（～1980年）。
1988年 - 全日本仏教会会長就任（～1990年）。
1996年 - 全国教誨師連盟総裁就任。
2013年4月15日 - 立教開宗記念法要（春の法要）において門主退任を表明。
2014年6月5日 - 門主を引退。宗派の「前門」、本願寺「前住」となる。

著書

『朝には紅顔ありて』（角川書店、2004年）
『世のなか安穏なれ』（中央公論新社、2007年、のち文庫）
『愚の力』（文春新書、2009年）
『光といのち』（本願寺出版社、2010年）
『生きるとは』（本願寺出版社、2010年）
『すくいとよろこび』（本願寺出版社、2011年）
『願いの力』（本願寺出版社、2011年）
『あけぼのすぎ 浄土真宗一口法話』（世界聖典刊行協会、2012年）
『いまを生かされて』（文藝春秋、2014年）

共著

『今ここに生きる仏教』（平凡社、2010年、上田紀行共著）
『浄土真宗のこれから』（大谷光淳共著、築地本願寺、2013年）

外部リンク

前門様のお言葉｜ご門主のお言葉｜本願寺（西本願寺）

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