大道寺直英

大道寺直英の生涯

大道寺直英（だいどうじ なおひで）は、戦国時代から江戸時代前期にかけての武将であり、弘前藩津軽家の重要な家臣として知られる人物です。彼は天文21年（1552年）、紀伊国牟婁郡藤縄に生まれました。父は戦国期の武将である舎人経忠で、母は後北条氏の家臣である遠山綱景の娘という家庭環境で育ちます。後に大道寺政繁の養子となり、彼の通称は「大道寺隼人」です。

直英の少年期、永禄6年（1563年）に父経忠が第二次国府台合戦で戦死し、母は実家の遠山家の庇護を求め、再婚先の大道寺政繁の養子となります。この再婚により、直英は先代の家系に引き継がれる役割を担うことになります。家族には彼の嫡男・直繁、次男・直重、三男弁誉上人、四男・直次が誕生し、直英は嫡子ではなく五男として家系図に記載されています。

天正10年（1582年）、北条氏直が徳川家康の次女との婚姻を機に連携を強化すると、直英も河越城の城代としてその構築に参加しました。彼の義父政繁は川越城と松井田城を管理し、直英はこの城の拡張に関与。天正18年（1590年）、豊臣秀吉の小田原征伐が始まると、直英は河越城を守るため竦まり、豊臣方との接触を強いられました。

松井田城が落ちてしまった結果、大道寺氏は豊臣方に加わり、武蔵の各所に進出し戦闘を繰り広げます。戦後、政繁は自害を命じられ、直英兄弟も家康の庇護のもとで新しい生活が始まります。

その後、直英は徳川義直の家中に寄食し、名古屋城の築城に取り組むことになります。慶長19年（1614年）には、大坂の陣が起こり、直英も参戦し、弘前藩の藩主・津軽信枚と手を組むことに。一方、直英の城築技術は新たな任務を生むことになり、信枚からの依頼を受けて新城（亀ヶ岡城）の建設が提案されましたが、一国一城令に触れたためにこの計画は中止となります。

直英はその後、江戸幕府の将軍と共に上洛し、藩内の家臣団の対立を解消するなど影響力を持っていきます。彼は直秀を養子に取り、家督相続に関与することになりますが、静かな日常の後には様々な裏切りや急死の噂も飛び交います。東北地方の武士社会での彼の影響力は非常に大きく、また自身の家族も多様な成功を収めていくことになります。

直英は寛永19年（1642年）に91歳で死去し、弘前市内の貞昌寺に埋葬されました。彼は生前、義父政繁の供養塔を建立し、彼の偉業はその後も語り継がれていくこととなります。また、直英の末裔は弘前藩において家老職を代々担い、明治維新後も青森県議会議長などの役職を果たすことになります。直英の生涯は戦国時代から江戸時代への変遷を見事に舞台にした一例として、多くの人々に記憶されています。

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