天ノ山静雄

天ノ山靜雄（あまのやま しずお）

天ノ山靜雄は、佐賀県小城郡多久村（現：多久市）出身の元大相撲力士です。本名を尾形靜雄といい、時津風部屋に所属していました。1953年12月28日（戸籍上は1954年1月1日）に生まれ、1997年9月17日に43歳で亡くなりました。身長191cm、体重179kgの恵まれた体格を生かした突き押し相撲を得意とし、最高位は西前頭筆頭でした。

生い立ちと相撲との出会い

中学校時代は柔道部に所属していましたが、その体格から相撲部に強引に勧誘され、大会に出場させられていました。しかし、本人は相撲を嫌っており、将来は教師か県庁員を目指していました。高校時代も柔道部に所属していましたが、相撲大会で活躍したことがきっかけで、大学では相撲の道へ進むことになります。

アマチュア相撲での活躍

駒澤大学に進学すると、相撲部で才能を開花させ、3年生の時には全国学生相撲選手権大会で優勝し、学生[[横綱]]となりました。翌年も準優勝するなど、アマチュア相撲界で確固たる地位を築きました。

プロの世界へ

大学卒業後、多くの相撲部屋から勧誘を受けましたが、学生時代に世話になった縁で時津風部屋に入門しました。1976年3月場所、幕下付出で初土俵を踏み、四股名は本名と同じ「尾形」でした。順調に出世し、1977年9月場所には新十両に昇進。1978年3月場所には新入幕を果たし、大関・貴乃花を破るなど11勝4敗の好成績を挙げ、敢闘賞を受賞しました。

巨体を生かした相撲

巨体と出足を活かしたもろ手突きで押す相撲を得意とし、将来を嘱望されましたが、下半身の脆さが課題で三役昇進は叶いませんでした。解説者からは「基礎工事がなっていない高層建築物」と酷評されることもありましたが、その体格から「ジャンボ」と呼ばれ、人気を集めました。

現役引退とその後

晩年は幕下まで番付を落とし、1986年11月場所を最後に32歳で現役を引退しました。引退後は年寄・立田山を襲名し、時津風部屋付きの親方として後進の指導にあたりました。また、NHK大相撲中継の向正面解説も務めていました。しかし、1997年9月、脳出血のため43歳という若さで亡くなりました。

エピソード

思い出に残る一番として、横綱・北の湖との初対戦を挙げています。幕内での対戦成績は9戦全敗でしたが、調子が悪かった時に北の湖から直接励ましの言葉をかけられたことに感激したと語っています。また、同じ新入幕の力士で「コンコルド」と呼ばれた琴若とともに、旅客機に由来するニックネームで親しまれていました。

主な成績・記録

通算成績：400勝411敗7休 勝率.493
幕内成績：198勝252敗 勝率.440
現役在位：65場所
幕内在位：30場所
三賞：1回（敢闘賞：1978年3月場所）
金星：2個（若乃花、三重ノ海）
連続出場：811回（1976年3月場所-1986年9月場所）
各段優勝
幕下優勝：3回（1976年9月場所、1977年7月場所、1985年7月場所）

改名歴

尾形 靜雄（1976年3月場所 - 1979年1月場所）
天ノ山 靜雄（1979年3月場所 - 1986年11月場所）

四股名の「天ノ山」は、故郷にある「天山」という山に由来します。

年寄変遷

立田山 靜雄（1986年11月 - 1997年9月）

参考文献

『戦後新入幕力士物語 第4巻』（佐竹義惇、ベースボール・マガジン社、1993年）

外部リンク

天ノ山 靜雄 - 相撲レファレンス

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