天上山 (東京都)

天上山（てんじょうさん）

天上山は東京都神津島村に位置する火山であり、神津島の象徴的な存在として知られています。山は島内で最も高く、標高は571.8メートルに達します。838年に始まった噴火によって形成され、その後の火砕流や火砕サージを経て、現在の姿へと変化しました。この噴火は古い記録にも記されており、降灰の範囲は関東・中部・近畿に及びました。

山の頂上は比較的平坦で、ババ池や不動池、千代池といった池が点在しています。特に南西部には「表砂漠」と「裏砂漠」と呼ばれる砂が堆積した広がりがあり、この地域は自然の景観を楽しむポイントとなっています。天上山の周辺には他にも529メートル、524メートルのピークがあり、東尾根には503メートルの櫛ヶ峰があります。

また、山頂付近の西南西には神津沢の谷があり、この谷によって西斜面が黒島と白島の二つに分かれています。この二つの島にはそれぞれ登山道が整備されており、訪れる登山者にとってアクセスの良い場所となっています。神津沢は港の近くで、太平洋に流れ込む重要な水系でもあります。

天上山の山頂には、横に広がる展望地が二つあり、東京都が選ぶ「新東京百景」に指定されている場所も含まれています。ここからは、伊豆大島や利島、新島、式根島、三宅島、そして御蔵島など、周辺の多くの島々を一望することが可能です。また、別の展望地点からは伊豆半島も見ることができます。

この山は、登山者のみならず、自然愛好家にとっても特別な場所です。「花の百名山」や「新日本百名山」にも名を連ねており、豊かな植生や多くの小型生物が見られるため、多様な生態系を形成しています。特に珍しい植物や動物が確認されており、ナミエヤマガラやミクラミヤマクワガタ、コウヅエビネ、イワチドリといった絶滅危惧種や固有種も生息していることが知られています。

このような多様性は、天上山が訪れる人々にとって、美しい風景と思い出深い体験を提供することに繋がっています。登山や自然観察を通じて、訪問者は神津島の魅力と自然の素晴らしさを十分に享受できることでしょう。

参考リンク

• - 神津島 - 気象庁
• - 日本活火山総覧 - 気象庁
• - 神津島の地質情報 - 産業技術総合研究所

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