天使に“アイム・ファイン”

『天使に“アイム・ファイン”』は、宗教団体「幸福の科学」の総裁である大川隆法の著書『アイム・ファイン』を原作とした実写映画です。園田映人が監督を務め、日活の配給により2016年 3月19日に封切られました。本作は、主演を務めた雲母（きらら）が所属するニュースター・プロダクションが製作を担当しています。

概要

本作は、「幸福の科学」が製作した劇場用映画としては記念すべき10作目にあたり、実写作品としては2012年に公開された『ファイナル・ジャッジメント』以来、3作目となります。

物語の基盤となっているのは、「幸福の科学」の教えの中核をなす「霊的人生観」です。現世で様々な悩みや苦しみに直面している人々に対し、霊天上界と呼ばれる世界に存在する「天使」たちが常に救いの手を差し伸べ、生きる勇気を与えようとしているという思想を描いています。天使の存在は単なる比喩ではなく、現実のものとして表現されています。

2016年1月28日には映画の公開日が正式に決定し、合わせて予告編とポスタービジュアルがマスコミ向けに公開されました。また、公開前日の3月18日には、日刊ゲンダイに主演の雲母のインタビュー記事が掲載され、注目を集めました。

原作：『アイム・ファイン』

原作である書籍『アイム・ファイン』（英題："I’m Fine” Spirit）は、幸福の科学総裁・大川隆法によって執筆されました。人生における成功論が、分かりやすく平易な言葉で綴られています。

内容は「7つの STEP」に分類されており、それぞれが「ワン・フレーズ、または、ワン・センテンス」の簡潔な表現で示された26個の重点ポイントで構成されています。巻末にはこれらの重点ポイントが一覧としてまとめられており、それぞれの出典となる経典も明記されているため、さらに深く学びたい読者への手引きともなっています。

この著作は国際的にも広く流通しており、世界19言語に翻訳され、165ヶ国で出版・展開されています。英語版、韓国語版、中国語（繁体字・簡体字）、ドイツ語版、インドのグジャラート語版、ヒンディー語版、シンハラ語版、タイ語版、ネパール語版、ポルトガル語版、ベンガル語版、タミル語版、アラビア語版、スペイン語版、フランス語版、マラティー語版など、多岐にわたる言語で出版されています。

劇場公開

本作は2016年 3月19日に日本全国99館で公開がスタートしました。その後のセカンドランも含めると、最終的に119館で上映されました。

公開初日の3月19日には、東京・虎ノ門のニッショーホールで舞台挨拶と特別上映会が実施されました。舞台には、園田映人監督をはじめ、主演の雲母、そしてなべおさみ、清水一希、合香美希、鳴海剛といった主要キャストが登壇し、観客に挨拶をしました。

公開最初の週末にあたる3月19日、20日の興行通信社による映画週末動員ランキングでは、第9位にランクインしました。この2日間の動員数は4万2295人、興行収入は5793万0300円を記録しています。

映画あらすじ

本作は、それぞれ異なる悩みや苦しみを抱える5人の主人公たちの物語を追うオムニバス形式で展開します。それぞれのエピソードには、地上世界の人々を見守り、救いの手を差し伸べる天使たちが登場します。

物語の中には、それぞれの人生における問題解決のヒントとなる言葉が巧みに織り込まれています。これらの言葉は原作である書籍『アイム・ファイン』から引用されており、登場人物たちが自身の人生を立て直し、再び輝きを取り戻す力となることが描かれています。

オムニバスは以下の5つの章で構成されています。

いじめの章
福島の章
奇跡の章
志（こころざし）の章
天使の章

登場人物

物語には、霊天上界に存在する天使たちと、地上で悩みや苦しみを抱える人々が登場します。主演の雲母は天使Rと「天使の章」の主人公・山口美里の二役を演じています。

主な登場人物

天使たち: 人々の幸福を願い、インスピレーションを与える存在。天使R（演：雲母）、天使A（演：桂亜沙美）、天使B（演：ポリナ）など。
森下風香（いじめの章）: いじめに苦しむ小学5年生。（演：合香美希）
朝日優也（福島の章）: 福島からの上京を目指す高校3年生。（演：清水一希）
山下（福島の章）: 優也を見守り励ます町の住人。（演：なべおさみ）
本郷吉乃（奇跡の章）: 末期がんを宣告された元女優。（演：芦川よしみ）
栗原護（志の章）: 政治家を目指すも挫折を経験する男性。（演：金子昇）
山口美里（天使の章）: 姉の死によって希望を失いかける女優志望の少女。（演：雲母）
山口梢（天使の章）: 美里の姉で、若くして亡くなる。（演：希島凛）

スタッフ

原作・製作総指揮: 大川隆法
脚本・監督: 園田映人
音楽: 大門一也
総合プロデューサー: 小田正鏡
プロデューサー: 竹内一成他
撮影: 市川修
編集: 阿部亙英

主題歌

主題歌は、作詞・作曲を大川隆法が手掛け、主演の雲母が歌唱する「天使に“I'm fine.”」です。この楽曲は、映画公開に先立つ2016年2月3日にシングルCDとしてリリースされました。

また、映画のオリジナル・サウンドトラックも制作され、主題歌を含む全39曲が収録されたアルバムが2016年 4月6日に発売されています。

映像ソフト

本作は劇場公開後、映像ソフト化もされました。

DVD（通常版・レンタル版）: 映画本編に加え、劇場予告編、TVスポット、初日舞台挨拶の映像を収録。
Blu-ray版: DVDの収録内容に加え、メイキング映像とインタビュー映像が追加収録されています。

いずれも2016年12月16日に発売されました。また、Amazon Prime Videoなどの各種動画配信サービスでも視聴可能です。

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