天道教青友党

天道教青友党：北朝鮮における宗教と政治の融合

天道教青友党は、朝鮮民主主義人民共和国（北朝鮮）に存在する政党です。その歴史は、朝鮮半島固有の宗教である天道教（東学）と深く結びついています。1946年、天道教北朝鮮宗務院傘下で結党された同党は、当初、民族自決と民主国家建設を目指した活動を行っていました。しかし、1949年の無宗教化政策により、その活動は一時中断を余儀なくされます。

1974年、朝鮮天道教会を名乗り再結成された同党は、「輔国安民」「斥洋斥倭」をスローガンに掲げ、朝鮮労働党の政策を支持する衛星政党としての道を歩みます。最高人民会議に代表を送ることで、形式的な複数政党制を維持する役割を担っています。

しかし、実際には朝鮮労働党の絶対的な指導の下にあり、政権批判や牽制を行うような野党としての役割は果たしていません。朝鮮社会民主党と同様に、「友党」として位置付けられ、労働党の一党独裁体制を支える存在となっています。

対外的には、北朝鮮の対南工作において重要な役割を担っています。朝鮮社会民主党と同様に、労働党統一戦線部の指揮下で、南朝鮮の天道教団体との交流や、進歩的勢力との連携活動を行っています。

天道教青友党の党員は、最高幹部を除き、一般的には動揺階層とみなされているとされ、西側諸国の文献には、入党を目指す者は、人民保安部や国家安全保衛部の監視対象になるという記述もあります。

歴代委員長

初代委員長：崔徳新 - 中国国民党の抗日戦争、韓国軍幹部としての朝鮮戦争参戦、停戦会議への参加など、複雑な経歴を持つ人物でした。
第2代委員長：鄭信赫 - 崔徳新の死去後、1989年に就任しました。
第3代委員長：柳美英 - 崔徳新の妻で、1993年から2016年の死去まで委員長を務めました。
暫定委員長：尹正虎 - 柳美英の死去に伴い、暫定的に委員長職務を代行しました。
第4代委員長：李明哲 - 2021年の朝鮮労働党第8次大会に出席し、委員長としてその地位を確立しました。

天道教青友党の現状

天道教青友党は、表向きは複数政党制の一翼を担う政党として存在していますが、実際には朝鮮労働党の絶対的な支配下にあり、その政策を支持し、体制維持に貢献する役割を担っています。宗教と政治が複雑に絡み合った、北朝鮮独特の政治システムの一端を示す存在と言えるでしょう。

考察

天道教青友党の歴史と役割を分析することで、北朝鮮の政治体制、特に一党独裁体制の維持と対南工作戦略について、より深い理解を得ることができます。また、北朝鮮における宗教の役割、そして宗教と政治の関係性についても、重要な示唆を与えてくれます。今後、北朝鮮の政治情勢の変化に伴い、天道教青友党の役割や影響力も変化していく可能性があるでしょう。

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