天間昭一

天間昭一：騎手から調教師へ、たゆまぬ努力の軌跡

天間昭一氏は、日本中央競馬会（JRA）美浦トレーニングセンターに所属する調教師です。1965年生まれ、騎手として長く活躍した後、調教師として新たな成功を収めています。父は厩務員であったことから、幼少期から競馬に囲まれた環境で育ちました。

騎手時代：地道な努力と着実な成長

天間氏は1982年3月、美浦トレーニングセンターの森安弘昭厩舎で騎手候補生としてのキャリアをスタートさせます。1984年3月に騎手免許を取得すると、地道な努力を重ね、着実に実力をつけました。1992年8月にはフリーとなり、自身の騎乗スタイルを確立しようと邁進しました。1999年には地方競馬にも初騎乗を果たし、同年3月13日にはJRA通算100勝という大きな節目を達成しています。

その後も多くのレースに騎乗し経験を積みましたが、所属厩舎を変えながら騎手としての道を歩み続けました。星野忍厩舎、堀井雅広厩舎に所属したのち、2006年2月、調教師免許を取得。長年の夢であった調教師への転身を果たしました。騎手としての最後のレースは、12番人気だったデルマアポロに騎乗し15着という結果に終わりましたが、JRA通算2447戦111勝、地方通算13戦0勝2着2回という成績を残しました。

騎手時代には、サリークラウン（1985年クイーンステークス3着）、マウントニゾン（1988年日経賞2着、天皇賞（春）4着）、ナスノローラン（1991年京王杯オータムハンデキャップ3着）、ブランドピート（1990年カーネーションカップ）など、数々の名馬に騎乗しました。特にマウントニゾンでは、嶋田功騎手が引退した後に主戦騎手として活躍しました。

調教師時代：重賞制覇と新たな挑戦

2006年12月21日、10馬房の厩舎を開業。同年12月23日には、初出走となる中山競馬場の2歳新馬戦を迎えます。初勝利は2007年7月14日、新潟競馬場の障害競走でエスケーアパッチが勝利した時でした。延べ81頭目の管理馬での勝利という結果に、これまでの努力が実を結んだ瞬間でした。

そして、2010年8月8日、レッツゴーキリシマで関屋記念を制覇し、中央競馬重賞初勝利を挙げます。これは、騎手時代には達成できなかった偉業であり、調教師としての大きな転機となりました。その後も、カシノチェスト（2009年たんぽぽ賞）、トシキャンディ（2012年プロキオンステークス）、クラウンロゼ（2013年フェアリーステークス）、ノボバカラ（2016年かきつばた記念、プロキオンステークス、カペラステークス）など、多くの活躍馬を送り出しています。

調教師試験は6度目の挑戦で合格を果たしました。6回目の受験で初めて1次試験を突破し、そのまま最終試験にも合格した経験は、努力を継続することの大切さを示しています。目標とする調教師像は、堀井雅広調教師のように出走回数を多くすることです。

困難を乗り越え、成功を掴む

騎手時代には1999年と2004年に落馬事故で左鎖骨を骨折するなど、数々の困難を経験しました。しかし、それらの経験は、天間氏の強い精神力と、競馬への情熱をより一層高める結果となりました。

天間氏のキャリアは、長年にわたる努力と、困難を乗り越える強い意志によって築き上げられたものです。騎手時代、そして調教師時代と、常に努力を怠らず、目標に向かって邁進する姿は、多くの人々に感動と勇気を与え続けています。これからも、その経験と技術を活かし、競馬界に貢献していくことでしょう。

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