堀井雅広

堀井雅広：JRA騎手から調教師へ - 300戦を目指す厩舎の軌跡

堀井雅広氏は、1951年生まれの元JRA騎手、調教師である。騎手としてのキャリアは、中学卒業後の騎手課程試験不合格を経て、高校卒業後に再挑戦し合格するところから始まる。1973年、中山競馬場（のちの美浦トレーニングセンター）の宮沢今朝太郎厩舎に入厩。その後、清水美波厩舎を経て1988年にフリーとなる。

騎手時代は、2755戦181勝という成績を残した。主な騎乗馬には、サンヨウコウ、ニッショウ、タカシリュウなどが挙げられる。サンヨウコウでは1973年の七夕賞を制覇、その他重賞で好成績を残し活躍した。

1994年2月、調教師免許を取得し騎手を引退。翌1995年、自身の厩舎を開業する。初勝利は35戦目、マイネルエンブレムの勝利という形で掴んだ。同年の鳴尾記念ではカネツクロスが優勝し、JRA重賞初勝利を飾った。

調教師としての堀井氏の信条は「年間300戦の出走」という目標を掲げる積極的な姿勢にあった。関東の厩舎に所属しながら、武豊騎手といったスター騎手を積極的に起用することで知られた。

2004年には、マイネルレコルトが朝日杯フューチュリティステークスを制し、GI初制覇という大きな成果を収める。そして、2022年2月28日、定年を迎え調教師を引退した。

調教師時代には多くの活躍馬を送り出した。主な管理馬として、カネツクロス（鳴尾記念、アメリカジョッキークラブカップ）、マルターズスパーブ（フラワーカップ）、ユーワファルコン（中日スポーツ賞4歳ステークス）、シベリアンメドウ（京王杯2歳ステークス）、マイネルモルゲン（ダービー卿チャレンジトロフィーなど）、マイネルレコルト（朝日杯フューチュリティステークス）、ボンネビルレコード（帝王賞、かしわ記念など）、アポロドルチェ（京王杯2歳ステークス）、アポロマーベリック（東京ジャンプステークス、中山大障害など）、マルターズアポジー（福島記念など）など、数多くの重賞勝ち馬を輩出した。カネツクロスに関しては、日経賞を制覇した後、西塚安夫調教師の馬主名義貸し問題による一時的な転厩を経て、元の厩舎に戻っているというエピソードも残っている。

堀井厩舎には多くの騎手や調教助手も所属していた。その中には、のちに調教師となる鈴木慎太郎氏も含まれる。吉田隼人氏、天間昭一氏、石神深一氏といった騎手も堀井厩舎で経験を積んでいる。

堀井雅広氏の長く充実したJRAでのキャリアは、騎手として、そして調教師として、多くの記憶と伝説を残した。年間300戦という積極的な出走目標を掲げ、多くの競走馬を育成し、数々の重賞勝利に貢献した氏の功績は、競馬史に刻まれたと言えるだろう。

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