太陽の神殿 アステカII

太陽の神殿 アステカII

『太陽の神殿 アステカII』（たいようのしんでん アステカツー、太陽の神殿 〜ASTEKA II〜、スペイン語副題：TEMPLO DEL SOL : ASTEKA II）は、1986年に日本ファルコムから発売されたPC-8801用コマンド選択式アドベンチャーゲームです。古代マヤ文明をモチーフに、メキシコの古代遺跡チチェン・イッツァを舞台としています。

概要

プレイヤーは遺跡に隠された「太陽の神殿」と「太陽の鍵」を探し出す冒険に挑みます。ゲームシステムには、当時のアドベンチャーゲームとしては先進的なアイコン選択式や時間概念が取り入れられています。

開発は日本ファルコムが担当し、ディレクターは『イースシリーズ』の加藤正幸、シナリオは『ザナドゥ』の宮本恒之、プログラムは橋本昌哉、音楽は阿部隆人がそれぞれ担当しています。

ストーリー

古代マヤの神官たちは、神々の国へ続く扉を開き、人々に予言を与え、畏怖と服従を誓わせました。その扉を開くものが「太陽の鍵」でした。主人公であるあなたは、チチェン・イッツァ遺跡に立ち、「太陽の鍵」を手に入れることができるでしょうか。

ゲームシステム

遺跡間の移動はRPGのようにキャラクターを操作するフィールドモードで行います。特定の場所でスペースキーを押すとアドベンチャーシーンに移行し、「押す」「待つ」「洗う」などの命令アイコンやアイテムを駆使して謎を解き、ゲームを進めていきます。

特徴

謎解きは単純ではなく、「時間」「場所」「順番」を考慮する必要があります。ゲームが進行しているように見えてもトラップにはまっている場合や、ゲームオーバーにならずに進行不能になる「詰み」が発生することもあります。

アイテム

ゲーム中には様々なアイテムが登場します。以下はその一部です。

片目のマスク、両目のマスク: 見えないものが見えるようになる。
赤い宝石、青い宝石: 他のアイテムと組み合わせて使用。
鉄の鍵: さび付いた小さな鍵。
金の笛: 修復が必要だが、アイテムを活性化させたり、野獣を鎮静化させる効果がある。
皮袋: コパル（香）が入っており、焚くと不思議な気分になる。
銀の香炉: コパルを焚くための香炉。
黄金の鏡: 埃で汚れている。
金の玉、銀の玉: 純金の玉。
金の台座: 高さ4cm程の台。
底浅のカメ: 真ん中にピンのようなものが立っている。
胸飾り: 時間を知ることができる。
モザイクタイル: 高僧の墓の柩に貼られているタイル。
小杖: 先端に磁石が付いている杖。
大きい薬壺、小さい薬壺: 体の大きさを変える薬が入っている。
絆創膏: アイテムの修復に使用。
ライター: 点火用。
銀の首、金の首: 首のない石像に嵌める首。
石の歯止め、石のハンドル: 器械を動かすための道具。
太陽の鍵: ゲームのクリアアイテム。

移植版

『太陽の神殿 アステカII』は、PC-9801、X1、FM-7、MSX2、ファミリーコンピュータなど、様々な機種に移植されました。また、海外では『Tombs & Treasure』というタイトルで発売されています。セガサターン版『ファルコムクラシックスII』にも収録されました。

MSX2版では、オープニングが追加され、バッテリーバックアップによるセーブが可能になりました。アイテムや遺跡の位置、グラフィックも変更され、難易度が上がっています。

ファミリーコンピュータ版では、主人公やヒロインに名前を付けることができ、ストーリーも変更されています。フィールドモードは画面切り替えスクロール方式になり、遺跡のグラフィックも巨大化しています。また、同行者が謎解きをサポートしてくれるようになり、RPG的な要素も追加されました。

Windows版では、原作に忠実な「オリジナルモード」と、グラフィックや音楽を強化した「アレンジモード」が用意されています。アレンジモードでは、マウス操作や手帳ヘルプなどの機能が追加され、遊びやすくなっています。

セガサターン版では、ハードウェアスクロール方式のフィールドモードや、アニメーション付きのアイテム使用シーンなどが特徴です。

音楽

ゲーム中には、阿部隆人作曲による印象的なBGMが使用されています。

Templo del Sol（太陽の神殿）
Cerote（聖なる泉）
Mundo Perdido（失われた世界）
La noche triste（悲しみの夜）
El Castillo（エル・カスティーリョ）
Una Muchacha de la Aldea（村娘）

スタッフ

ディレクター: 加藤正幸
シナリオ: 宮本恒之
プログラム: 橋本昌哉
* 音楽: 阿部隆人

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