太陽生命ウィメンズセブンズシリーズ2023

概要

「太陽生命ウィメンズセブンズシリーズ2023」は、2023年5月20日から7月2日までの期間にわたり開催された、女子7人制ラグビーの日本国内における年間最上位リーグにあたる大会である。日本ラグビーフットボール協会が主催し、太陽生命保険株式会社が特別協賛を務めた。本シリーズは、全国4つの都市を巡るサーキット方式で行われ、各地域の主要なラグビー場で熱戦が繰り広げられた。

この大会には、高校、大学、クラブチームの単独または合同編成チームが出場可能であり、女子7人制ラグビー選手の競技力向上および普及・発展を目的としている。2014年に始まった本シリーズは、2023年で9回目の開催を迎えた。大会終了後には、次期シリーズへの参加チームを決定するための入替戦も実施された。

参加チーム

本シリーズに出場するチームは、国内女子7人制ラグビーにおいてトップレベルに位置づけられる「コアチーム」と呼ばれる。2023年シーズンは、前年度（2022年シリーズ）のコアチーム12チームに加え、2023年3月に行われた下位大会「リージョナルウィメンズセブンズ2022」で上位4位までに入ったチームを合わせた、合計16チームが参加した。これは、新型コロナウイルス感染症の影響により、リージョナル大会参加チームにとって実戦機会が不足していた状況を考慮した措置であった。

参加チームには、前年度上位の東京山九フェニックスラグビークラブ、ながとブルーエンジェルス、YOKOHAMA TKM、PEARLSといった強豪のほか、日本体育大学やARUKAS QUEEN KUMAGAYA、追手門学院などの大学・クラブチーム、自衛隊体育学校などが名を連ねた。また、コアチームではない高校生や大学生、クラブチームの選手から推薦を受けて編成された「チャレンジチーム」も出場し、将来有望な選手たちが高いレベルでの経験を積む機会となった。

試合方式

シリーズ各大会は、それぞれ2日間で開催された。大会初日には、参加16チームを4チームずつ4つのプールに分け、各プール内で総当たり戦（各チーム3試合）を実施。試合の勝敗に応じて勝ち点が付与され（勝利3点、引き分け2点、敗戦1点、棄権0点）、勝ち点の合計によってプール内順位が決定された。勝ち点が並んだ場合は、得失点差など所定の規定により順位が決定された。

大会2日目には、初日のプール戦結果に基づいて、順位決定トーナメントが行われた。上位8チームは「優勝決定トーナメント」、9位から12位のチームは「9位決定トーナメント」、下位4チームは「13位決定トーナメント」に進んだ。トーナメント戦では、規定時間内に決着がつかない場合、サドンデス方式の延長戦が行われ、先に得点したチームが勝利した。

各大会での最終順位に応じてシリーズポイントが付与され、このポイントの合計によりシリーズの年間総合順位が決定された。年間総合ポイントが同じ場合は、シリーズ全体の総得失点差などで最終順位が定められた。

開催日程と会場

2023年シリーズは、以下の4ヶ所を巡る形で開催された。

第1戦（熊谷大会）: 2023年5月20日・21日、埼玉県熊谷スポーツ文化公園熊谷ラグビー場
第2戦（秩父宮大会）: 2023年6月3日・4日、東京都秩父宮ラグビー場
第3戦（鈴鹿大会）: 2023年6月17日・18日、三重県三重交通Gスポーツの杜鈴鹿サッカー・ラグビー場
第4戦（花園大会）: 2023年7月1日・2日、大阪府東大阪市花園ラグビー場

特に、ラグビーの聖地として知られる東大阪市花園ラグビー場での開催は、太陽生命ウィメンズセブンズシリーズ史上初めてのことであった。

各大会では大会MVPが選ばれており、第1戦はプルーニー・キヴィット選手、第2戦はナディーン・ルース選手、第3戦は辻﨑由希乃選手、第4戦はナディーン・ルース選手（いずれもながとブルーエンジェルス）が受賞した。

年間総合順位と結果

4大会全てのシリーズポイントを合算した結果、ながとブルーエンジェルスが全4大会を制覇し、シリーズ年間総合優勝の栄冠に輝いた。全勝での年間優勝は、シリーズが年間3大会制であった第1回大会以来であり、年間4大会制移行後としては初めての快挙であった。シリーズ年間MVPには、ながとブルーエンジェルス所属のバティヴァカロロライチェル海遥選手が選出された。

年間総合順位の上位11チームは、次期2024シリーズの出場権を自動的に獲得した。一方、チャレンジチームを除く下位5チームは、次期シリーズ出場権をかけた入替戦への参加が義務付けられた。

太陽生命ウィメンズセブンズシリーズ2023 入替戦

2023年8月11日・12日には、静岡県小笠山総合運動公園エコパスタジアムにて、入替戦が開催された。この入替戦には、2023シリーズの下位5チームと、新規参入を目指す応募チーム4チームを加えた計9チームが出場した。1日目にプール戦、2日目に順位決定トーナメントを行い、優勝チームのみが翌年の「太陽生命ウィメンズセブンズシリーズ2024」への出場権を得られる方式で行われた。

その結果、横河武蔵野Artemi-Starsが入替戦を勝ち抜き優勝を飾り、2024シリーズへの出場権を獲得した。

その他

2023シリーズの全試合（入替戦を除く）は、日本ラグビーフットボール協会の公式YouTubeチャンネル「JAPAN RUGBY TV」を通じてライブ配信され、多くのラグビーファンが視聴した。本シリーズの開催は、特別協賛の太陽生命保険のほか、シリーズスポンサーおよび各大会のマッチスポンサーによる多大な支援によって実現した。

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