奄美群島国立公園

奄美群島国立公園

奄美群島国立公園（あまみぐんとうこくりつこうえん）は、鹿児島県に属する奄美群島及びその周辺海域を含む国立公園です。この公園は、日本全国で34番目、鹿児島県では4番目に指定されました。また、2016年に設立されたやんばる国立公園以降の新たな国立公園として、日本で最も新しいものとなっています。

指定区域と面積

奄美群島国立公園の総指定面積は75,263ヘクタールで、陸地が42,181ヘクタール、海域が33,082ヘクタールにわたります。その中には、「特別保護区域」と「第1種特別地域」が含まれており、世界自然遺産に登録された「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」のエリアと重なっています。2017年に承認された国立公園土地利用計画案によると、新規に指定された区域は36,636ヘクタールである一方で、国定公園として指定解除された区域は2,316ヘクタールに達しています。

公園内に含まれる主な島々には、奄美大島、加計呂麻島、請島、与路島、喜界島、徳之島、沖永良部島、与論島があります。また、指定区域の自治体は奄美市と大島郡の12市町村にあたります。

生態系と生物多様性

この国立公園地域は、サンゴ礁、マングローブ林、干潟、亜熱帯性広葉樹の原生林といった多様な生態系が見られます。また、固有種にはアマミノクロウサギ、アマミトゲネズミ、ルリカケス、アカヒゲ、アマミセイシカ、アマミアワゴケ、ワダツミノキなどが存在し、更にハブやアマミイシカワガエル、イボイモリ、リュウキュウアユ、リュウキュウコノハズクなども生息しています。

各島の特色

• - 奄美大島・加計呂麻島: 笠利半島エリアには美しいリアス式海岸が広がり、油井岳からの眺望が楽しめます。マングローブ林も点在し、独特の自然が魅力です。
• - 喜界島: 会うことができる顕著な海岸段丘はこの島の地形の特徴で、百之台公園には独特の珊瑚礁が見られます。
• - 徳之島: カルスト地形が形成されており、特に犬の門蓋（じょうぶた）とムシロ瀬が注目されます。井之川岳にはさまざまな固有植物が見られ、自然の宝庫となっています。
• - 沖永良部島: 大規模な鍾乳洞が存在し、田皆岬や国頭崎の海崖も楽しむことができます。
• - 与論島: サンゴ礁に囲まれた与論島は、特に百合ヶ浜や大金久海岸が観光名所となっています。

歴史と経緯

奄美群島国立公園は、1974年に奄美群島国定公園として指定されたのが始まりです。その後、2007年には群生する照葉樹林地帯を国立公園にする方針が決まりました。2010年には新規指定候補として奄美群島が選定され、2016年には環境省によって国立公園の区域案が公表されました。最終的に2017年には奄美群島国立公園が正式に指定され、旧国定公園の指定は解除されました。

このように、奄美群島国立公園は多様な自然環境と豊かな生物多様性を持つ重要な地域であり、訪れる人々にとって貴重な自然体験の場となっています。

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