奥山八郎

奥山八郎：不屈の精神で法曹界を牽引した弁護士

奥山八郎（1887年3月10日 - 1967年10月1日）は、激動の時代に弁護士として社会に貢献し、日本弁護士連合会（日弁連）会長、第二東京弁護士会（二弁）会長を歴任した人物です。彼は、鹿児島県徳之島で生まれ、苦学の末に法曹界の頂点へと上り詰めました。その波乱万丈な人生と、社会正義にかけた情熱を紐解きます。

苦難を乗り越えた少年時代

奥山は、徳之島の亀津（現・徳之島町）で生まれました。幼い頃から向学心に燃え、亀津尋常高等小学校を卒業後、学費を稼ぐために沖縄に渡ります。しかし、不運にも遭難し、宮崎県に漂着。その後、鹿児島県本土を経由して上京するという苦難を経験しました。

上京後、奥山は弁護士事務所で書生として働きながら、正則英語学校の夜学に通いました。さらに、ドイツ語教授の住み込み書生に転じ、京華中学校 (旧制)を卒業。1906年には旧制高等学校試験に合格するという快挙を成し遂げました。家庭教師をしながら第五高等学校第一部で学び、1909年に卒業。1914年には東京帝国大学法科大学を卒業しました。

弁護士としての活躍

1916年、奥山は東京地方裁判所司法官補に任官され、1917年には地方裁判所判事として水戸地方裁判所および東京地方裁判所に勤務しました。しかし、1920年に判事を退官し、弁護士としての道を歩み始めます。

弁護士として、奥山は数々の重要事件を手がけました。血盟団事件、五・一五事件、東大教授グループ事件（第二次人民戦線事件）など、当時の社会を揺るがす事件の弁護を担当し、その手腕を発揮しました。

法曹界のリーダーとして

奥山は、第二東京弁護士会において、1941年に副会長、1942年に会長に就任しました。1951年には日本弁護士連合会会長に選出され、日本の法曹界を牽引するリーダーとして活躍しました。

1965年、奥山の長年の功績が認められ、勲一等瑞宝章を受章しました。これは、彼の社会に対する多大な貢献を称えるものでした。

故郷への貢献

奥山は、故郷である徳之島と奄美市（旧名瀬市）の発展にも尽力しました。その功績が認められ、徳之島町名誉町民、奄美市名誉市民（旧・名瀬市名誉市民）として顕彰されています。

まとめ

奥山八郎は、苦難を乗り越え、法曹界の頂点に立った不屈の人物でした。弁護士として数々の重要事件を手がける一方で、法曹界のリーダーとして、また故郷への貢献を通じて社会に大きく貢献しました。彼の生き方は、私たちに勇気と希望を与えてくれます。

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