奥野小四郎 (11代)

奥野小四郎：北海道の発展に尽力した篤農家、実業家、政治家

奥野小四郎（1880年4月14日 - 1958年7月23日）は、明治から昭和にかけて活躍した日本の篤農家、実業家、政治家です。衆議院議員、官選帯広市長を務め、北海道の発展に大きく貢献しました。旧姓は武田、初名は雄次。

生い立ちと初期の活動

奥野小四郎は、1880年に兵庫県三原郡広田村（現・南あわじ市）で、武田泰三の三男として生まれました。郁文館中学校を卒業後、第三高等学校第一部に入学しますが、家事の都合により一年で退学。その後、洲本町の先代奥野小四郎の婿養子となり、家業に従事しました。

北海道での活躍

1904年5月、奥野小四郎は北海道に渡り、先代が拓いた上川郡士別村の農場の経営を担当します。1906年からの2年間、北海道庁真駒内種畜場で畜産獣医の講習を受け、畜産の知識と技術を習得しました。1908年には、十勝国中川郡居辺原野で先代と共に牧場を経営し、産馬の改良繁殖に尽力しました。

1915年12月に先代が死去したことを受け、1916年1月、11代小四郎を襲名しました。その後、帯広町会議員、北海道会議員、十勝郡農会長、北海道農会副会長、十勝畜産組合長、北海道畜産組合連合会副会長、中央畜産会理事、北日本無尽 (株) 社長など、数々の要職を歴任し、北海道の農業、畜産業の発展に大きく貢献しました。また、士別軌道の第2代社長として、初代社長の大久保虎吉の後任として就任し、地域交通の発展にも尽力しました。

政治家としての活動

1924年5月、奥野小四郎は第15回衆議院議員総選挙に北海道第9区から出馬し、見事当選を果たします。その後、1942年4月の第21回衆議院議員総選挙では北海道第5区から翼賛政治体制協議会推薦で出馬し当選し、衆議院議員を通算二期務めました。国政においても、北海道の声を届け、農業、畜産業の振興に尽力しました。

帯広市長としての活動と晩年

1946年1月、奥野小四郎は帯広市長に就任します。しかし、第21回衆議院議員総選挙で翼賛政治体制協議会の推薦を受けていたことから公職追放となり、1947年1月に市長を退任しました。その後は政界を引退し、晩年は故郷の洲本市に帰郷し、1958年に同地で没しました。

親族

妻：奥野セツ（養父・奥野小四郎長女）

まとめ

奥野小四郎は、篤農家、実業家、政治家として、北海道の発展に大きく貢献した人物です。農業、畜産業の振興、地域交通の発展、国政への参加など、多岐にわたる分野でその才能を発揮し、北海道の発展に大きく貢献しました。彼の功績は、今もなお、北海道の人々に語り継がれています。

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