女ひとり大地を行く

『女ひとり大地を行く』は、1953年にキヌタプロダクションが製作し、北星映画が配給した日本の劇映画です。この映画は、日本炭鉱労働組合北海道地方本部に加盟する炭鉱労働者たちが、一人あたり33円ずつ出し合った資金、総額300万円によって製作されました。

1952年、北海道の夕張市や釧路市にある太平洋炭礦で長期ロケが行われました。原ひさ子のレポートによると、製作費を抑え、役作りのため、スタッフやキャストは炭鉱労働者の長屋に滞在しました。主演の山田五十鈴は、釧路の太平洋炭礦で地元住民と交流を深め、岸旗江も同地を訪れています。

しかし、映画倫理委員会から、朝鮮戦争を連想させるシーンの削除や修正を求められ、日本炭鉱労働組合がこれに抗議するなど、公開までに多くの困難がありました。最終的には、1953年2月20日に全国公開されましたが、その過程で脚本や完成フィルムは何度も変更を余儀なくされました。1952年1[[2月1日]]には、「自主改訂版」の脚本が雑誌『シナリオ』に掲載され、翌年にはシナリオ文庫としても出版されています。

映倫の要請に応じた結果、オリジナルの164分あったフィルムは、32分短縮され132分となりました。その後、2008年12月に東京国立近代美術館フィルムセンターにて、最長版が上映されています。現在でも、この作品は北海道の炭鉱の歴史を伝える貴重な資料として自主上映会などで上映されています。

この映画は、1932年から1952年までの20年間を舞台に、一人の女性が炭鉱労働者として働き、二人の子供を育てる姿を描いています。炭鉱での事故や戦時中の徴兵、朝鮮戦争による特需に応えるための過酷な労働など、激動の時代を生き抜く人々の強さと苦悩が描かれています。

この作品を最後に、監督の亀井文夫は劇映画の演出から退きました。

主なスタッフは以下の通りです。

製作：日本炭鉱労働組合北海道地方本部、キヌタプロダクション
監督：亀井文夫
脚本：新藤兼人、千明茂雄
撮影：仲沢半次郎
美術：江口準次
音楽：飯田信夫

主な出演者は以下の通りです。

山田サヨ：山田五十鈴
河村孝子：岸旗江
山田喜作：宇野重吉
山田喜一：織本順吉
花沢徳衛
雷さん：加藤嘉
お花：北林谷栄

この映画は、以下のサイトでも詳細な情報が確認できます。

女ひとり大地を行く - allcinema
女ひとり大地を行く - KINENOTE
女ひとり大地を行く - IMDb

もう一度検索