女人平家 (テレビドラマ)

作品概要

『女人平家』（にょにんへいけ）は、日本の著名な作家である吉屋信子によって執筆された同名の小説、およびそれを原作として制作されたテレビドラマ作品です。本項では主にこのテレビドラマ版について詳述します。

このテレビドラマシリーズは、1971年10月7日から1972年2月17日にかけて放映されました。制作は朝日放送（ABC）と松竹の共同で行われ、朝日放送をはじめとする各局で放送されました。

内容

本作の舞台は、平安時代も末期、武士である平家一門が繁栄の頂点を極め、やがて源氏との争いを経て滅亡の道を辿るという、日本の歴史における激動の時代です。この時期は、広く知られる軍記物語『平家物語』でも描かれています。

しかし、『女人平家』は、『平家物語』が主に武士や男性の視点から時代の流れを追っているのに対し、同じ時代を生き抜いた女性たちの視点から物語を紡ぎ出します。宮廷に仕える女性、武将の妻や娘、あるいは市井の女性たちなど、様々な立場の女性たちが、時代の大きなうねりの中でどのように生活し、何を感じ、どのように運命と向き合ったのかに焦点を当てます。戦いや政治的な権力闘争の陰で、あるいはその只中で、強く、あるいは儚く生きた女性たちの内面や人間関係を深く掘り下げることで、歴史の新たな一面を描き出す試みとして企画されました。吉屋信子らしい細やかな心理描写が特徴です。

ソフト化

テレビドラマ『女人平家』は、放送終了後、長らく映像ソフトとして一般に流通することはありませんでした。そのため、作品を視聴できる機会が限られており、再評価や新たな視聴が難しい状況が続いていました。しかし、放送から50年以上が経過した2023年、初めて映像ソフト化が実現しました。2023年3月8日にDVDとして発売され、多くの人が作品を改めて、あるいは初めて目にすることが可能となりました。歴史あるテレビドラマの貴重なソフト化として注目されました。

出演者

このドラマには、当時の日本のテレビドラマ界や映画界を代表する多くの実力派俳優が出演しました。

主役を務めたのは、人気と実力を兼ね備えた女優、吉永小百合です。彼女は一人で平佑子と平盛子という二つの異なる役柄を演じ分け、作品の中心を担いました。

その他の主要な出演者は以下の通りです。

平佑子・平盛子：吉永小百合（二役）
平清盛：佐藤慶
平時子：有馬稲子
大江広元：浜畑賢吉
汐戸：田中絹代
平昌子：新條多久美
平徳子：結城三枝
平寛子：小谷悦子
平典子：進藤恵美
平滋子：影万里江
平宗盛：長澄修
平敦盛：井関一
平時忠：森章二
源頼朝：水島弘
世尊寺伊行：下元勉
冷泉隆房：高城丈二
坊門信清：荻島真一
花山院兼雅：峰祐介
藤原信隆：佐竹明夫
西行法師：日下武史
難波弥五左衛門：宮部昭夫
阿紗枝：藤野節子
安良井：三田和代
小檜垣：稲野和子
夕霧：阿井美千子
千鳥：宮田圭子
庵主：宝生あやこ
語り：奈良岡朋子ほか

※提供された情報に各話のサブタイトル一覧は含まれていませんが、番組にはサブタイトルが存在しました。

スタッフ

本作の制作を支えた主要なスタッフは以下の通りです。

プロデューサー：山内久司
脚本：水木洋子
音楽：間宮芳生
監督：西河克己、田中徳三、大熊邦也、松本明

また、制作協力として京都映画株式会社が携わりました。京都映画株式会社は、現在の株式会社松竹京都撮影所にあたる会社であり、時代劇制作において長い歴史と豊かな経験を持つことで知られています。その専門知識と技術が、本作の時代考証や映像表現の質を高める上で重要な役割を果たしたと考えられます。

※提供された情報に脚注の内容は含まれていません。

もう一度検索