『妖精大戦争 〜
東方三月精』(ようせいだいせんそう とうほうさんげつせい)は、
同人サークル上海アリス幻樂団によって制作された
弾幕系シューティングゲームであり、
東方Projectの第12.8弾にあたる作品です。
本作は2010年8月14日に開催された
コミックマーケット78で頒布され、その後、
同人ショップでの
委託販売も行われました。作中に登場するキャラクターイラストは、漫画『
東方三月精』の作画を担当している
比良坂真琴氏が手掛けています。
ストーリーは、漫画『
東方三月精 〜 Strange and Bright Nature Deity.』単行本第2巻に収録された描き下ろし漫画「妖精大戦争」の続きとなっています。ゲームの構想自体は、描き下ろし漫画の発表以前から存在していたとのことです。主人公は、
博麗霊夢や
霧雨魔理沙ではなく、氷の妖精
チルノです。
ゲームシステム
難易度は4段階あり、Extraステージや
スペルカードといった基本的なシステムは従来の
東方Project作品と同様です。本作の特徴的なシステムとして、
自機である
チルノが冷気を操る能力を活かした要素が挙げられます。
基本的な流れ
プレイヤーは
チルノを操作し、各ステージを攻略していきます。敵や敵弾に当たるとミスとなり、残機が1つ減った状態でその場で復活します。全ての残機を失うと
ゲームオーバーとなりますが、コンティニューすることで復活し、ゲームを続行できます。コンティニューせずに3面(最終面)のボスを倒すとエンディングとなります。難易度に関わらずコンティニューせずにクリアすると、全1面のExtraステージが追加されます。
自機は
チルノのみで、装備選択はありません。
ステージ構成
全3ステージで構成されています。ゲーム開始時に3種類あるステージから1面を選択し、1面クリア時に残りの2種類から2面を選択します。これにより、合計6通りの攻略ルートが存在します。
アイスバリア
ショットボタンを長押しして離すことで、
自機の周囲に一定時間「アイスバリア」を展開できます。アイスバリアに触れた敵弾は凍って動きが止まり、当たり判定が消滅します。凍った敵弾に他の敵弾が触れると連鎖的に凍ります。
ただし、一部の敵の攻撃にはアイスバリアが通用しません。「炎弾」はアイスバリアで凍らせることができず、「レーザー」はアイスバリアを破壊します。
アイスバリアは「こおりパワー」が30%以上の時に展開でき、こおりパワーの残量が多いほど、アイスバリアの持続時間が長くなります。こおりパワーは、時間経過、ショットを敵に当てる、グレイズなどの要素で回復し、アイスバリアを使用すると0%になります。
本作には、従来の
東方Project作品に存在するパワーアップアイテムは存在しません。アイスバリアによって凍らせた弾幕の総面積に応じてパワーレベルが上昇します。
本作では、
自機の
スペルカードとして「パーフェクトフリーズ」を使用できます(『紅魔郷』で
チルノが使用する
スペルカード名と同じ)。ボムアイテムを集めるのではなく、アイスバリアによって凍らせた総面積に応じてパーフェクトフリーズの値が0%から上昇していき、100%になると1回使用できます。最大で300%(ボム3回分に相当)まで溜めることが可能です。
パーフェクトフリーズを使用すると、画面上の全ての敵弾を凍らせることができます。アイスバリアでは凍らせられない炎弾も凍らせることが可能です。使用後は、値が100%減少します。
残機
残機は「やる気」として表現されます。やる気は、敵弾を凍らせるか敵にダメージを与えることで上昇し、最大1000%まで上げることができます。敵弾に当たるとやる気が100%減少し、100%未満の状態で被弾すると
ゲームオーバーになります。
ストーリー
本作のストーリーは、描き下ろし漫画「妖精大戦争」の続きとなっています。
描き下ろし漫画「妖精大戦争」のあらすじ
ある冬の日、サニーミルク、ルナチャイルド、スターサファイアの3人の妖精「光の三妖精」は、妖精だけで団結して人間を困らせる異変を起こすことを計画します。三妖精は他の妖精を力で従わせるため、手始めに氷の妖精
チルノの家を破壊します。不在だった
チルノは、現場に残された痕跡から三妖精の仕業だと気づき、宣戦布告の
矢文を送りますが、
矢文に自分の名前を書き忘れていました。
三妖精は、名前のない
矢文を、妖精たちの決起を恐れた人間からのものだと勘違いし、人間との決戦に備えてトレーニングを開始します。
その後、
チルノは宣戦布告したことをしばらく忘れていましたが、春になって思い出し、三妖精に戦いを挑むという物語です。
登場人物
チルノ:氷の妖精。家を破壊された恨みから三妖精に宣戦布告します。
光の三妖精:サニーミルク、ルナチャイルド、スターサファイアの3人組。
チルノの家を破壊した張本人です。
* 霧雨 魔理沙:通りすがりの魔法使い。
この他に、名前は表示されませんが、大妖精とリリーホワイトが登場します。一部ルートのエンディングには
博麗霊夢と射命丸文が登場します。
ステージ
「魔法の森」「霧の湖」「春の小径」の3ステージで構成されており、選択順によってステージ構成が変化します。Extraステージとして「夜桜怪道」が存在します。
選択ルートによって、光の三妖精のいずれかが1面ボス、2面ボス、3面中ボスとして登場し、3面ボスとしては3人揃って現れます。同じ
ボスキャラクターでも、選択ルートによって攻撃方法が異なります。