妻よ妻よ

妻よ妻よ

『妻よ妻よ』は、折笠智津子の小説『妻のぬくもり蘭の紅』を原作としたテレビドラマ作品です。このドラマは、夫婦の愛と絆、そして難病と闘う人々の姿を描いた感動的な物語です。

あらすじ

新聞社に勤める外山直と妻の阿津子は、お互いを「ナオ」「アコ」と呼び合う仲睦まじい夫婦でした。しかし、阿津子の誕生日に行った油壺への旅行の帰り道、直は突然、手に痺れを感じるようになります。次第に、ボタンをかける、靴紐を結ぶ、物を掴むといった日常的な動作すら困難になっていきました。大学病院での検査の結果、直は筋萎縮性側索硬化症（ALS）という原因不明の難病と診断されます。しかし、本人には病名が伏せられ、「神経病性関節症」と告げられます。

病状が悪化する中でも、直は首から定期券をぶら下げたり、お弁当にサンドイッチを持参するなど、日常生活を続けようと努力します。しかし、会社の洗面所で転倒し、立ち上がれなくなったことを機に、休職を決意します。自宅療養を続けるも病状は悪化の一途をたどり、ついには自力で起き上がることもできなくなってしまいます。長男の春樹は、最初は父親の介助を手伝っていましたが、次第に嫌気がさし、家出をするようになります。そして、直は呼吸困難に陥り、救急車で搬送されます。

直は、人工呼吸器を装着するために気管切開を行い、一命を取り留めますが、声を失ってしまいます。しかし、そんなある日、阿津子は、わずかに動く直の唇の動きから、彼が俳句を詠んでいることに気づきます。その俳句は日本俳句協会の目に留まり、受賞することになります。受賞した句は、「抱き起こされて　妻のぬくもり　蘭の紅」でした。この俳句には、病床でも変わらぬ妻への愛情と感謝の気持ちが込められていました。

テレビドラマ

『妻よ妻よ』は、1987年8月31日から10月30日まで、TBSの「花王 愛の劇場」枠で放送されました。石井ふく子プロデューサーが手がけた作品としても知られています。

キャスト

外山阿都子： 長山藍子
外山直： 荻島眞一
外山春樹： 長江健次
外山美樹： 市丸和代
馬淵婦長： 赤木春恵
岩城部長； 山本學
田部良介： 岡本信人
山本道子： 高見恭子
佐藤英夫
早崎文司
岩本多代
南條豊
松阪隆子
前田昌明

スタッフ

プロデューサー - 石井ふく子、岡戸良尚、金川克斗志
演出 - 川俣公明
脚本 - 宮川一郎
技術協力 - 東通
制作協力 - 緑山スタジオ・シティ
製作 - ストーンウェル、TBS

主題歌

『愛追えば』
作詞：さとう宗幸 / 作曲：小川寛興 / 編曲：青木望 / 歌：さとう宗幸

その他

外山直のモデルは、俳人の折笠美秋です。

外部リンク

妻よ妻よ - テレビドラマデータベース

『妻よ妻よ』は、難病に侵された夫とその妻の献身的な愛、そして家族の絆を描いた感動的なドラマです。病魔と闘いながらも、俳句への情熱を失わずに生きる夫の姿は、多くの視聴者に勇気と感動を与えました。

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