子日 (初春型駆逐艦)

子日（ねのひ）駆逐艦の歴史

概要

子日は日本海軍の初春型駆逐艦の2番艦であり、1933年に完成しました。この艦は、1905年に竣工した初代子日とは別の艦であり、太平洋戦争において重要な役割を果たしました。しかし、1942年にアリューシャン列島での戦闘中に潜水艦に沈められました。

建造から初期運用

子日は1931年12月15日に浦賀船渠で起工され、1933年9月に竣工しました。艦名は初春型駆逐艦として初めて与えられ、同型艦の初春や若葉とともに第21駆逐隊に編入されました。1934年には友鶴事件を受けて、呉海軍工廠で大規模な改修が行われました。この改修では、外観が大きく変更され、艦の性能向上が図られました。

さらに、1935年には第四艦隊事件を受けて、船体強度の強化を目的とした工事が実施され、最大速力は33ノットまで低下しました。その後、子日は第二遣支艦隊第15戦隊に編入され、中国南部での活動に従事しました。

太平洋戦争の勃発

太平洋戦争が始まると、子日は第21駆逐隊の一艦として内海西部で待機していました。1942年1月には輸送船団を護衛し、ダバオへの護衛任務を行いました。その後も、初春と共に多くの作戦に参加し、特にバリ島攻略作戦やスラバヤ沖海戦では重要な役割を果たしました。

北方への転戦

1942年5月には、子日は北方部隊に編入され、アッツ島への攻略作戦に参加しました。この作戦ではアッツ島ホルツ湾に到着し、周辺の基盤調査を行いました。しかし、この時、子日は潜水艦の攻撃を受けることとなります。

沈没

1942年7月5日、子日は濃霧の中、米潜水艦トライトンの攻撃を受け、魚雷が命中し沈没しました。その際、艦長である寺内三郎少佐も行方不明となり、乗員188名が戦死しました。生き残った者も意識をなくしていたため、救助は難航しました。

エピソード

子日には「国後」の副長との興味深いエピソードがあります。国後が北千島の前進根拠地に初めて入港した時、子日からの信号により階級についてのトラブルが起こりました。この時、子日の艦長が謝罪に来たという逸話があります。

結論

子日は太平洋戦争で多くの戦闘に参加し、その歴史は日本海軍における駆逐艦の重要性を物語っています。艦としての活動は短命であったものの、その任務と役割は今なお評価されています。艦隊の一員として戦い抜いた子日の歴史は、時代の記憶として残り続けることでしょう。

もう一度検索