李恢

李恢の生涯と業績

李恢（り かい）は、中国の後漢末期から三国時代に活躍した名将であり、政治家です。彼の字は徳昂で、益州建寧郡兪元県出身です。李恢は、後に有名な武将である劉備の信任を受け、数々の戦績を残しました。彼の子は李遺または李蔚、甥には李球がいます。また、『三国志』の蜀志にその業績が伝えられています。

生い立ちと初期の経歴

李恢は建寧郡の督郵を務めていました。ある日、彼の叔母の夫に当たる爨習が罪を犯し、その影響で李恢も免職の危機に見舞われました。しかし、太守である董和は、爨習の豪族としての地位を考慮し、彼の罪を許しました。その結果、李恢は免職を免れ、後に州に推薦されることとなります。爨習のその後についても言及すれば、彼は孟獲の反乱に加わるが、諸葛亮の南方征伐により帰順し、その後は軍の要職に就きました。

劉備との関わり

劉備が劉璋を攻撃するために出陣する際、李恢は郡の使者となり綿竹で彼と対面しました。李恢は劉備に気に入られ、雒城まで同行し、馬超を味方に引き入れるよう命じられました。李恢の策が功を奏し、馬超は劉備に投降、これにより劉備は成都を占領し、益州を手に入れました。李恢はこの際、功曹書佐主簿に昇進します。

信任と昇進

ある時、李恢は謀反の事実無根で誣告されたことがありますが、劉備はその無実を証明し、彼を別駕従事に昇格させました。章武元年（221年）、劉備が李恢に後任について尋ねた際、彼は「人間には長所と短所があり、孔子が人を使う際にはその能力に応じて応えるべきだ」と答えました。この言葉を気に入った劉備は李恢を庲降都督とし、交州刺史にも任命しました。

南中征伐と反乱鎮圧

建興元年（223年）に劉備が亡くなると、南中では高定・雍闓・朱褒が反乱を起こします。建興2年（224年）、諸葛亮が友好関係の構築を試みる中で、建興3年（225年）には兵を率いて南中に侵攻しました。李恢はこの親征に参加し、別働隊を指揮して昆明で倍の敵に囲まれながらも計略を用いて撃破し、その後彼の功績により安漢将軍・漢興亭侯に叙任されました。

その後、南中では再び異民族による反乱が発生し、李恢は自ら軍を指揮してこの反乱を鎮圧しました。また、地域の有力者からの貢物を集めることで、一時的に軍事費の確保にも成功しました。

最後の年

建興7年（229年）、交州が呉に従属したため、李恢は交州刺史を解任され建寧太守に任命されました。その後、漢中に移り、建興9年（231年）に亡くなるまでの間、彼は数々の業績を残しました。

物語の中の李恢

小説『三国志演義』では、李恢が馬超を降伏させる際の功績が特に強調され、彼は弁舌で優れた士としても描かれています。また、民間伝承では李恢の子・李蔚が架空の人物として登場し、家庭の物語が加わることで彼の人物像がより豊かになる場面が見受けられます。

もう一度検索