朱提郡

朱提郡（しゅていぐん）

朱提郡は、中国の三国時代から南北朝時代にかけて存在した郡です。現在の雲南省東北部と貴州省西部にまたがる地域に設置されていました。

概要

朱提郡は、107年（後漢の永初元年）に成立した犍為属国を前身とします。犍為属国は益州に属し、朱提県と漢陽県の2県を管轄していました。

215年（建安20年）頃、劉備が成都に入ると、犍為属国は朱提郡と改められました。郡治は南昌県（現在の雲南省鎮雄県付近）に置かれ、朱提太守の鄧方は南中地域を管轄する庲降都督に任じられました。

晋の時代には、朱提郡は朱提県、南広県、漢陽県、南秦県、堂琅県の5県を管轄していました。303年（太安2年）には、寧州に転属しました。

南朝宋の時代には、朱提郡は朱提県、堂琅県、臨利県、漢陽県、南秦県の5県を管轄していました。

南朝斉の時代には、北朱提郡が新たに立てられ、もとの朱提郡は南朱提郡と改名されました。南朱提郡は朱提県、漢陽県、堂琅県、南秦県の4県を管轄し、北朱提郡は河陽県と義城県の2県を管轄しました。494年（延興元年）には、さらに東朱提郡が立てられました。

参考文献

関尾史郎『周縁の三国志　非漢族にとっての三国時代』東方書店〈東方選書 60〉、2023年5月31日。ISBN 978-4-497-22307-4。

外部リンク

『朱提郡』 - コトバンク

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