宇都宮清吉

宇都宮清吉（1905年10月2日 - 1998年）は、日本の東洋史学者で、特に中国中世史研究において卓越した業績を残しました。名古屋大学名誉教授としての経歴を持ち、後進の育成にも尽力しました。

生涯

愛知県に生まれた宇都宮清吉は、1931年に京都帝国大学文学部東洋史学科を卒業しました。その後、台北帝国大学予科教授、京都帝国大学助教授を経て、1948年に名古屋大学文学部教授に就任しました。名古屋大学では、同じく東洋史学者の谷川道雄と共に教鞭を執り、学界を牽引する存在となりました。1969年に名古屋大学を定年退官し、名誉教授の称号を受けました。退官後は、橘女子大学教授として教壇に立ちました。また、中国中世史の研究会を主宰し、研究活動を続けました。

業績

宇都宮清吉の研究は、中国の漢代から中世にかけての社会経済史に焦点を当てたものが多く、実証的な研究に基づいた緻密な分析が特徴です。彼の研究は、当時の中国社会の構造や人々の生活の実態を明らかにし、その後の中国史研究に大きな影響を与えました。

著書

『漢代社会経済史研究』弘文堂 1955：漢代の社会と経済に関する詳細な研究。
『中国古代中世史研究』（東洋学叢書）創文社 1977：中国の古代から中世にかけての歴史を網羅的に扱った研究。
共著『古代帝国の成立 改訂版』（新修京大東洋史）宮崎市定、大島利一、羽田明共著 創元社 1969

翻訳・校訂

『冊府元亀奉使部外臣部索引』内藤戊申共編 東方文化研究所 1938 臨川書店 1988
武仙卿『魏晋南北朝経済史』（支那経済史 第2南北朝時代）増村宏共訳 生活社 1942
『大唐大慈恩寺三蔵法師伝』（古典叢刊）校訂 朋友書店 1979
* 顔之推『顔氏家訓』訳注 平凡社東洋文庫 1989-90

宇都宮清吉は、研究者としてだけでなく、教育者としても多くの人材を育成しました。彼の指導を受けた学生たちは、現在、日本の東洋史学界の第一線で活躍しています。また、彼の著書や論文は、現在でも中国史研究の重要な参考文献として広く利用されています。

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宇都宮清吉は、日本の東洋史学界に大きな足跡を残した学者として、今後もその名が語り継がれることでしょう。

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