守達神

守達神（もりたのかみ）とは

守達神は、長野県諏訪地方に伝わる民間信仰（諏訪信仰）の神です。特に、長野市七二会にある守田神社では主祭神として祀られており、この神社は水内郡の式内社である守田神社の論社の一つとされています。守達神は、建御名方神の第五子であり、水内開拓の祖神であると伝えられています。

概要

守達神は、古代の歴史書『日本三代実録』にもその名が登場します。貞観5年（863年）2月14日の条には、式外社である宇達神が記されており、この宇達神は守達神と同一の神であると考えられています。しかし、宇達神を祀る長野市下宇木の宇達神社では、宇達神（宇逵神）は泥土立神の転訛であると伝えられています。このように、守達神の出自については複数の説が存在しています。

また、明治初期に書かれた守矢氏の家系図『神長守矢氏系譜』には、守矢氏の二代目とされる守宅神の別名として守田ノ神が挙げられており、守達神と同一視されることがあります。守達神は、貞観5年2月に従五位下から従五位上に、貞観7年3月には従五位上から従四位下に位階が加授されており、当時の朝廷からも重要な神として認識されていたことが伺えます。

系譜

守達神は、建御名方神と八坂刀売神の間に生まれた子とされています。また、子には高志奈男神と美都多麻比売命がいます。美都多麻比売命（美都玉比売命）は、片倉辺命の子である児玉彦命との間に八櫛神を産み、この八櫛神は守矢氏の五代目とされています。このように、守達神は諏訪地方の有力氏族である守矢氏の系譜にも深く関わっていることが分かります。

祀る神社

守達神は、以下の神社で祀られています。

諏訪大社上社前宮 若御子社（長野県茅野市宮川）
十五社神社（長野県茅野市豊平）
十五社神社（長野県岡谷市本町）
守田神社（長野県長野市七二会）

また、宇達神を祀る神社としては、以下の神社があります。

宇達神社（長野県長野市下宇木）

これらの神社では、地域の歴史と深く結びついた神として、今もなお大切に祀られています。

参考文献

『日本三代実録』
『神長守矢氏系譜』

関連項目

諏訪大社
* 諏訪氏

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