安岡寺 (高槻市)

安岡寺（あんこうじ）

安岡寺は、大阪府高槻市に位置する天台宗系の寺院で、山号を南山と称します。本尊は如意輪観音で、「高槻観音」や「弘紹不動」としても広く知られています。毎年2月1日には柴灯大護摩供が催され、多くの参詣者で賑わいを見せる、地域に根ざした寺院です。また、新西国三十三箇所客番札所としても知られています。

歴史

寺伝によれば、安岡寺は桓武天皇の兄である開成皇子が、この地の霊験に感銘を受け、自ら観音像を彫り、堂宇を建立したのが始まりとされています。創建は宝亀6年（775年）2月18日と伝えられています。南山と号し、根本山・神峯山寺、北山・本山寺と共に北摂三山寺として天台宗に属していました。開成皇子の弟子である開智が、一字一石の大般若経600巻を書写して背後の岡に安置したことが、「安岡寺般若院」という名前の由来となっています。

文安年間（1444年 - 1449年）には天災により堂宇が焼失しましたが、永正年間（1504年 - 1521年）に高誓によって再建されました。しかし、天正年間（1573年 - 1592年）には、三好氏や高山右近の兵火により再び堂宇が焼失。その後、寛文年間（1661年 - 1673年）に良盛によって復興されました。江戸時代には徳川将軍家からの寄進を受け、大日院、藤本坊、阿弥陀院、泉蔵坊の4塔頭を有する巨刹となりましたが、明治時代の廃仏毀釈により荒廃し、現在の規模となっています。

境内

安岡寺の境内には、以下のような堂宇や施設があります。

本堂: かつて付近にあった安正寺の本尊・千手観音坐像が客仏として祀られています。
青梅観音堂
鎮守の御社
神福龍王大王社
鐘楼
庭園
叶観音堂
開山堂
庫裏
山門
般若塚

文化財

安岡寺には、貴重な文化財が所蔵されています。

重要文化財
木造千手観音坐像：平安時代後期の作で、元々は般若塚付近にあった安正寺の本尊。「青梅観音」とも呼ばれています。1870年（明治3年）の廃仏毀釈により安正寺が廃寺となったため、こちらに移されました。重要文化財指定後、長らく京都国立博物館に寄託されていましたが、防火収蔵庫としての機能を持つ青梅観音堂の完成後に戻され、日曜・祝祭日に開帳されます。
高槻市指定有形文化財
安岡寺文書 7点

行事

安岡寺では、年間を通して様々な行事が執り行われます。

大護摩供: 2月1日。大峰山の山伏の行者などが焼けた丸太の上をはだしで歩き、無病息災や交通安全などを祈願します。
春季彼岸会: 春分の日
花まつり: 4月第1日曜日
大施餓鬼法要: 8月17日
秋季彼岸会: 秋分の日
除夜の鐘: 12月31日
観音講詠歌奉納: 毎月18日

御詠歌

「如意の輪は　願ひのままに　めぐりきて　身を安岡の　寺におかばや」

前後の札所

新西国三十三箇所
13 満願寺 - 客番 安岡寺 - 14 神峯山寺
近畿三十六不動尊霊場
11 鏑射寺護摩堂 - 12 安岡寺本堂左脇仏 - 13 大覚寺五大堂
摂津国三十三箇所
24 大門寺 - 25 安岡寺 - 26 廣智寺

所在地

〒569-1028 大阪府高槻市浦堂本町41-1

交通アクセス

JR京都線 高槻駅北口から市営バス「上の口」・「下の口」・「塚脇」・「原大橋」行きに乗車、「浦堂」停留所下車、徒歩約15分。

外部リンク

第12番 安岡寺（近畿三十六不動尊霊場会 公式ホームページ）
* 安岡寺（高槻市 - インターネット歴史館 - ）

もう一度検索