安弘見神社

安弘見神社の概要

安弘見神社（あびろみじんじゃ）は、岐阜県中津川市蛭川に位置する神社です。この神社は、古くは村社として地域の人々に親しまれてきました。毎年4月に行われる例祭では、独特の杵振り踊りが奉納され、その様子は訪れる人々を魅了します。

祭神

安弘見神社は、以下の神々を祀っています。

主祭神: 建速須佐之男命（たけはやすさのおのみこと）
配祀神:
志那津彦命（しなつひこのみこと）
志那津姫命（しなつひめのかみ）
宇迦之御魂神（うかのみたまのかみ）

これらの神々は、地域の安寧と繁栄を守護するとされています。

歴史

神社の創建時期は明確ではありませんが、元々は京都の観慶寺感神院持祇園社から奥野田に勧請されたのが始まりと伝えられています。正長元年（1428年）には、南朝方の重臣和田政忠の子孫である和田政通が、自身の十回忌の際に現在地へ遷座し、和田一族の御霊が合祀されたとされています。

慶長19年（1614年）には、蛭川村の初代庄屋と二代庄屋が、八龍権現と記された棟札を奉納しました。八龍権現は、建速須佐之男命の別名と考えられています。

明治維新までは、神仏習合により牛頭天王を祭神とする牛頭天王社と称されていましたが、明治2年（1869年）の神仏分離令により、安弘見神社と改称されました。この時、祭神も牛頭天王と同一視されていた建速須佐之男命に変更されました。

安弘見という社名は、岐阜県笠置山周辺の地名である安弘見郷に由来しています。

境内

かつて、境内には瑠璃光堂（薬師堂）があり、薬師如来が本尊として祀られていました。現在に伝わる杵振り踊りや獅子舞は、この薬師堂に奉納されていたものとされています。薬師如来が祀られた時期は、明治3年の苗木藩による廃仏毀釈で記録が失われたため不明ですが、薬師如来像は密かに隠され、現在は念仏堂に保管されています。

また、蛭川村の南朝伝説によると、宗良親王の御子である尹良親王がこの地で崩御され、その重臣たちが舞を伝えたものが、後の杵振り踊りになったとも伝えられています。

文化財

安弘見神社に伝わる文化財として、以下のものがあります。

蛭川の杵振踊: 岐阜県指定重要無形民俗文化財に指定されています。

映画

安弘見神社は、映画「男はつらいよ 寅次郎の告白」のロケ地としても使用されました。映画では、花馬奉納の場面が撮影されています。

関連事項

安弘見神社の歴史や文化を理解する上で、以下の項目も参考になります。

廃仏毀釈
苗木藩の廃仏毀釈
牛頭天王
薬師如来
祇園信仰
榊山神社（牛頭天王社）
神国教
寳林山高徳寺（蛙薬師）

参考文献

蛭川村史　第五節　近・現代　九　宗教・神社　神社と寺 (一) 牛頭天王社　p313～p315　蛭川村村史編纂委員会　1974年

外部リンク

安弘見神社 - 岐阜県神社庁
本地垂迹資料便覧

注釈

この情報は、提供された資料に基づき作成しました。

出典

蛭川村史
* 岐阜県神社庁ウェブサイト

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