安武氏

安武氏と海津城の歴史

安武氏（やすたけし）は、福岡県南部の筑後国に根ざした氏族で、菅原氏に起源を持ちます。安武家は海津城を拠点として、戦国時代に名を馳せました。特に、柳川藩に仕えたことでも知られており、その系譜は菅原氏流の高辻家から派生しているとされています。

安武氏の起源と発展

『海津城主由来』という歴史的な文献によれば、安武氏の始まりは、河内国大掛郡の知行を持っていた茨阿波守としての菅原朝臣鑑政にさかのぼります。彼は永正5年（1508年）に25歳で筑後国の安武に未入部し、これを契機に安武の名を名乗るようになったとされています。安武氏はこの鑑政の時代から歴史の舞台に登場することとなり、彼が安武氏の初代と見なされています。

彼の後は、鎮政、政勝へと続き、安武氏は大友氏の配下として、筑後国三潴郡の中で200町を領有するようになりました。特筆すべきは、永禄7年（1564年）に大友義鎮が下田城を攻撃した際、安武氏も犬塚、西牟田、蒲池らと共に参陣したことです。

海津城の運命

しかし、天正4年（1576年）に、安武式部少輔鎮教が城主を務めていた時、肥前の龍造寺氏の横岳頼次が率いる軍に攻められ、海津城は落城する運命を辿ります。それに伴い、安武政勝は八女の黒木へと逃れざるを得ませんでした。

落城後、海津城は龍造寺氏家臣である横岳頼次が新たな城主となります。時は流れ、天正15年（1587年）には、豊臣秀吉の九州平定に伴い立花宗茂が筑後柳川に13万石を与えられ、立花家臣の立花吉右衛門成家が海津城の城主となりましたが、慶長年間には城が廃止されてしまいます。

長い年月を経て、大正から昭和にかけては耕地整理が行われたため、海津城の遺構は完全に失われ、今では石碑と案内板だけがその存在を示しています。しかし、1992年（平成4年）には発掘調査が行われ、堀や掘立柱建物の跡が発見されました。これにより、この地が15世紀から16世紀にかけて栄えた平城跡であることが確認されたのです。

まとめ

安武氏は、その起源から戦国時代に渡るまでの歴史的な変遷を経て、海津城を中心に活動を展開しました。現在はその遺構が失われているものの、一部の歴史的記録や発掘調査を通じて、その素晴らしい歴史と文化の一端を垣間見ることができます。

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