安部定

安部 定（あんべ さだむ）：教育者・労働運動家・政治家

生い立ちと教育背景

安部定は1908年5月に大分県速見郡藤原村（現在の日出町）で生まれました。彼は安部福一の長男として育ち、1928年には大分師範学校（現在の大分大学教育学部）を卒業しました。この学校での教育を経て、安部は教育の道を選び、小学校の教員としてのキャリアを始めました。

教職と労働運動

卒業後すぐに、彼は大分県内の杵築尋常高等小学校で訓導としての任務を遂行し、その後大阪府内の小学校でも教育に従事しました。戦後は、教育現場での経験を活かし、大分県教員組合長や教員組合全国連盟の副委員長などの重要な役職を歴任しました。彼のリーダーシップのもと、県教員組合は関係する他の組合と合流し、大分県教職員組合が設立されました。これにより、教育者たちの権益を守る運動が一層強化されることとなりました。

政治への進出

安部は1947年4月に開催された第1回参議院議員通常選挙に出馬し、無所属で当選します。この際、彼は緑風会に所属し、一期にわたって参議院議員を務めましたが、1950年の第2回選挙では落選しました。この落選後、彼は教職に復帰し、大分市内の小学校で校長として働くことになります。彼の教育と運動への貢献は、地域社会の中で高く評価されました。

地域活動と晩年

定年後、安部は故郷の日出町に戻り、「大分の自然を守る会」の会長を務めるなど、地域の自然保護に尽力しました。彼の活動は、地元の住民の間で自然環境の大切さを再認識させるものでした。

受賞と死去

1988年の秋には、その長年の貢献が認められ、勲四等旭日小綬章を受章しました。彼は1994年6月12日に肺癌のために亡くなり、その日をもって従五位に叙されました。

参考文献

彼の人生や業績について詳しく知るためには、以下の文献を参考にすることができます。

• - 『現代物故者事典 1994～1996』日外アソシエーツ株式会社、1997年。
• - 衆議院・参議院『議会制度百年史 - 貴族院・参議院議員名鑑』大蔵省印刷局、1990年。
• - 人事興信所編『人事興信録』第15版 上、1948年。
• - 『大分県歴史人物事典』大分合同新聞社、1996年。
• - 『国政選挙総覧 1947-2016』日外アソシエーツ株式会社、2017年。

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