定海

定海（じょうかい）

定海（1074年2月1日 - 1149年5月20日）は、平安時代後期の真言宗の僧です。村上源氏の流れを汲み、父は右大臣の源顕房。白河天皇の中宮である藤原賢子や、太政大臣の源雅実、藤原忠実の室である源師子とは異母兄弟にあたります。三宝院大僧正、または上生僧正とも呼ばれました。

略歴

幼い頃、従兄弟にあたる三宝院の勝覚（左大臣源俊房の子）に師事しました。1101年には無量光院で伝法灌頂を受け、僧としての道を歩み始めます。

1116年、第16代醍醐寺座主に就任。在任中は、上醍醐薬師堂の再建や東僧房の建立、清滝会（桜会）の創始など、醍醐寺の発展に大きく貢献しました。

1129年5月には東大寺の別当に就任。翌1130年正月には権少僧都に任じられます。1132年閏4月には東寺長者となり、同年5月には権大僧都に昇進しました。1135年10月には権僧正に、1137年正月には僧正に昇ります。この際、興福寺別当の玄覚（藤原師実の子）を飛び越えての昇進であったため、興福寺の衆徒から反発を受け、一時的に僧正職を停止されるという事件も起こりました。

1139年10月には大僧正に昇進。これは醍醐寺の僧侶が大僧正に任ぜられた最初の例となりました。

定海は、白河法皇や鳥羽法皇と関わりの深い仏事を中心に、数多くの重要な仏事に招かれました。1114年11月の法勝寺新阿弥陀堂（蓮華蔵院）供養、1127年正月の円勝寺五重塔（中塔）供養、同年7月の法勝寺九体新阿弥陀堂供養、1132年3月の得長寿院供養、同年4月の同院一字金輪堂供養など、数々の法会で重要な役割を果たしました。また、孔雀経法を何度も修法しています。

1145年に全ての職を辞し、1149年4月12日、76歳で入寂しました。

著書として『大治記』1巻と『保延記』1巻が残されています。また、元海や一海といった弟子を育てました。

定海は、平安時代後期における真言宗の発展に大きく貢献した僧侶の一人として、その名が記録されています。醍醐寺の復興、法皇からの信頼の厚さ、数々の仏事への貢献など、多岐にわたる業績を残しました。

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