定福寺

定福寺（じょうふくじ）

高知県長岡郡大豊町粟生に位置する定福寺は、真言宗智山派の寺院であり、新四国曼荼羅霊場第61番札所として知られています。本尊は阿弥陀如来で、脇侍として薬師如来と地蔵菩薩が安置されています。寺伝によると、神亀元年（724年）に聖武天皇の勅願により行基によって開山されたと伝えられています。

歴史

定福寺は、仁平年間（1151年 - 1153年）に作られたとされる本尊の阿弥陀如来、薬師如来、地蔵菩薩を安置しており、往時には本堂、仁王門、鐘楼堂、十一面観音堂、教院など12の堂宇が立ち並び、仁王門の下には大門があったとされています。また、かつては近隣に西光寺や坊が存在し、現在でもその名残が屋号として残っています。

境内

定福寺の境内には、以下のような見どころがあります。

山門（仁王門）：寺の入口を飾る門。
本堂：本尊の阿弥陀如来を拝観し、参拝できる場所。
大師堂（庫裡）：持仏堂も兼ねており、参拝可能。納経所も併設。
熊野神社：境内に鎮座する神社。
宝物館：寺の宝物を展示。
万葉植物園：日本で7番目に整備された万葉植物園で、境内全体が植物園となっています。
大賀ハス：古代ハスの実から発芽した珍しいハス。
宿坊：かつてはユースホステルとして「5大修行」体験ができたが、現在は終了。
駐車場：約15台分のスペース。

山門を入り、車道を上ると本堂の駐車場があり、その前に熊野神社があります。本堂を背にして道路を渡ると、受付小屋と鐘楼があり、階段を下ると大師堂（庫裡）があります。

奥の院

定福寺の奥の院である仏岳山遍照院は、弘法大師が修行したと伝わる「加持ヶ峰（梶ケ森）」の７合目付近から山頂近くにかけてあります。奥の院には、以下の見どころがあります。

奥の院・御影堂：岩壁に張り付くように建てられた、投入堂のような外観の堂。
ごろごろ八丁：奥の院から御影堂へと続く急坂。
奥の院・観音堂と通夜殿
龍王の滝：落差16mの滝で、「日本の滝百選」に選ばれています。

定福寺本寺から龍王の滝駐車場までは約2.8km、そこから徒歩10分で龍王の滝に到着します。さらに15分ほど登山すると奥の院観音堂に、そこから「ごろごろ八丁」を通って御影堂へと至ります。

注意点：観音堂から「真名井の滝」へ進むと御影堂には行けません。御影堂は岩壁の上にあり、登山道が険しいため見落としやすいので注意が必要です。観音堂から梶ヶ森山荘までは、個人差はありますが約1時間程度です。

文化財

定福寺には、多くの文化財が所蔵されています。

高知県指定保護有形文化財

木造阿弥陀如来坐像：本尊。平安時代後期の作。
木造薬師如来坐像：本尊の脇侍。平安時代後期の作。
木造地蔵菩薩半跏像：本尊の脇侍。平安時代後期の作。
木造地蔵菩薩立像：六地蔵（笑い地蔵）。鎌倉時代作。
木造聖徳太子立像：南北朝時代の作。
木造不動明王立像：
木造毘沙門天立像：

登録有形文化財（国登録）

本堂：安永8年（1779年）建立。
庫裡（大師堂）：江戸末期建立、明治18年移築。

新四国曼荼羅霊場

定福寺は、新四国曼荼羅霊場において、以下の札所の間に位置します。

60番 閑慶院
61番 定福寺
62番 持性院

外部リンク

新四国曼荼羅霊場HP'>新四国曼荼羅霊場HP
* 定福寺ホームページ

定福寺は、歴史と自然が調和した美しい寺院です。ぜひ一度訪れて、その魅力を感じてみてください。

もう一度検索