宝祐

宝祐（ほうゆう）は、中国・南宋の理宗皇帝の治世で使用された元号であり、1253年から1258年までの6年間を指します。

宝祐年間の主な出来事

宝祐元年（1253年）
モンゴル軍が漢水を渡河しようとしましたが、宋軍の迎撃により撤退しました。
7月には、余玠が亡くなりました。
8月には、「皇宋元宝」という貨幣が発行されました。
12月には、クビライ率いるモンゴル軍が大理国を滅ぼしました。
宝祐2年（1254年）
2月、秦檜の諡が「謬狠」に改められました。
3月、モンゴル軍が合州を攻撃しましたが、守備に阻まれて撤退しました。
閏6月には、モンゴルの使者が揚州から帰還しました。
12月には、両浙、江東、江西、湖南において保甲が割り当てられ、自実法が施行されました。
宝祐3年（1255年）
3月、辺境の保安を厳しくする詔勅が出されました。
6月、賈似道が淮東の海賊を討伐しました。
7月、吐蕃の西南夷がモンゴルに服属しました。
宝祐4年（1256年）
5月、羅氏鬼国からモンゴルが西南の辺境を通じて侵攻するという情報がもたらされました。
6月、モンゴルの憲宗がクリルタイを開き、南宋の討滅を決定しました。
7月、モンゴル軍が叙州に侵攻しました。
宝祐5年（1257年）
5月、京湖、沿江、海道の水軍に防御を厳しくする詔勅が出されました。
10月、モンゴルの南伐軍が出征しました。
12月、安南がモンゴルの侵攻を受け、服属しました。
宝祐6年（1258年）
2月、モンゴルが南宋に対する全面的な攻勢を開始しました。
4月、モンゴル軍が江淮、京湖に来襲しました。
9月、憲宗自らが率いる親征軍が漢中に進入しました。
12月、翌年より「開慶」への踰年改元の詔が下されました。

宝祐の時代は、モンゴル帝国の拡大と南宋の衰退が顕著になった時期であり、その後の南宋滅亡へと繋がる重要な転換期であったと言えるでしょう。

他王朝との関係

この時期、北方のモンゴル帝国では憲宗モンケが第4代皇帝として君臨していました（在位：1251年 - 1259年）。モンケは南宋討滅を掲げ、積極的な南伐を推進しました。

関連項目

元号一覧 (中国)

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