宮之城温泉

宮之城温泉

宮之城温泉は、鹿児島県薩摩郡さつま町に位置する温泉地です。川内川の中流域に沿って開けた温泉街は、落ち着いた雰囲気が特徴で、旅館が軒を連ねています。温泉街には、唯一の共同浴場である「湯田区営温泉」（通称：湯田区湯）があり、地元の人々や観光客に利用されています。

泉質

泉質は、単純硫黄泉です。

歴史

宮之城温泉の開湯時期は正確には分かっていませんが、江戸時代の文政年間に宮之城虎居大円寺の僧侶によって発見されたという伝承があります。明治10年頃までは、川内川の河川敷に湧き出る温泉を、人々が簡易的な露天風呂として利用していました。当時は「湯田温泉」と呼ばれていましたが、昭和7年に現在の「宮之城温泉」に改称されました。しかし、「湯田」の名称は、共同浴場などにその名残を留めています。

この地域は、過去に幾度も川内川の氾濫による被害を受けてきました。特に、昭和47年7月6日の豪雨では甚大な被害を受け、家屋の全壊や床上浸水が多数発生しました。しかし、事前に避難が完了していたため、幸いにも死者は出ませんでした。現在の温泉街は、これらの災害を乗り越えて復興した姿です。

湯之神社

温泉街には、湯之神社が鎮座しています。この神社は、江戸時代に川内川の大洪水で上流から薬師如来が流れ着いたことをきっかけに、「湯之権現」として祀られたのが始まりです。その後、薬師像が旧湯之尾温泉のものであることが判明し、一時的に返還されましたが、再び川内川の氾濫で像が湯田に流れ着いたことから、旧湯之尾温泉の許可を得て、正式に湯之神社の御神体として祀られることになりました。

湯之神社には、地元出身の歌人である岩谷莫哀の歌碑も建てられており、「み下ろせば薩摩の方へひと筋の川うねうねと流れたりけり」という歌が刻まれています。

アクセス

鉄道：九州新幹線出水駅で下車後、タクシーで約30分。または、同駅から鹿児島空港行きのバスに乗り約40分、宮之城駅で下車後、旅館の送迎かタクシーで約10分。
航空：鹿児島空港からバスで約45分、宮之城駅で下車後、旅館の送迎かタクシーで約10分。
* バス：鹿児島中央駅から約1時間30分、宮之城（宮之城駅と同位置）で下車後、旅館の送迎かタクシーで約10分。

宮之城温泉は、歴史と自然に囲まれた、心身ともに癒される温泉地です。ぜひ一度訪れて、その魅力を体験してください。

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