宮内庁式部職

式部職について

式部職（しきぶしょく）は、宮内庁の内部部局の一つであり、皇室に関する重要な役割を担っています。その主な任務は、儀式、交際、雅楽に関する事務を掌ることです。

式部職の主な事務

宮内庁法第7条によれば、式部職は以下の3つの事務を担当しています。

1. 儀式に関すること:
皇室の重要な儀式や祭典の企画、準備、運営を行います。これには、即位の礼、大嘗祭などの重要な儀式が含まれます。
2. 交際に関すること:
外国からの賓客の接遇、国際親善に関わる事務を行います。皇室外交において重要な役割を担い、国際的な友好関係の構築に貢献しています。
3. 雅楽に関すること:
宮中における雅楽の演奏、演舞に関する事務を行います。雅楽は日本の伝統文化であり、その継承と発展にも尽力しています。

式部職の職員構成

式部職には、以下の役職の職員がいます。

式部官長:
式部職の責任者であり、特別職です。その給与は、上皇侍従長や宮内庁次長と同等の高位です。
式部副長:
2名が置かれ、それぞれ皇室の儀式担当と国際親善担当を担います。国際親善担当は、外務省出身者が起用されることが多いです。
式部官:
宮内庁長官の命を受け、儀式、交際、雅楽に関する事務を分掌します。3名の式部官が、それぞれの専門分野を担当します。

楽部

楽部（がくぶ）は、雅楽の演奏、演舞を担当する部署です。しかし、宮中晩餐会などでは洋楽の演奏も担当します。楽部は、楽長、楽長補、楽師、楽生で構成されています。楽長は3名おり、そのうち1名は首席楽長です。

雅楽の継承:
楽長、楽長補、楽師は、重要無形文化財である「雅楽」の保持者として認定されています。長年にわたり、雅楽の伝統を継承し、後世に伝えています。
楽家の変遷:
かつては、多氏、安倍氏、豊氏、東儀氏、上氏、薗氏などの楽家と呼ばれる一族が世襲でその役割を担っていましたが、現在では半数以上が一般家庭出身者で構成されています。

御料鵜飼

鵜飼いは日本の伝統的な漁法であり、一部は宮内庁によって保護されています。鵜匠は、宮内庁式部職鵜匠として国家公務員の身分が認められています。伝統文化の継承と保護に貢献しています。

歴代式部官長

宮内府が設置されていた時期（1947年から1949年頃）には、式部寮という組織が存在し、その責任者は「式部頭（しきぶのかみ）」と呼ばれていました。

脚注

注釈：式部職に関する補足説明
出典：この情報源となる資料

関連項目

東儀秀樹:
雅楽演奏家。デビュー前は楽部に在籍していました。
歌会始:
式部職が担当する重要な行事の一つです。
儀典長:
外務省における儀礼担当の役職です。

外部リンク

宮内庁ホームページ:
* 式部職に関する詳しい情報が掲載されています。

式部職は、日本の皇室文化を支える重要な役割を担っており、その活動は多岐にわたります。伝統的な儀式や雅楽の継承、外国との友好的な関係構築を通じて、日本の文化と国際社会との架け橋となっています。

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