宮地域

宮地域（みやちいき）

宮地域は、長崎県佐世保市の南東部に位置する地域で、旧東彼杵郡宮村にあたります。江戸時代には、現在の佐世保市域の中で唯一、大村藩に属していたという特異な歴史を持っています。1958年（昭和33年）に佐世保市に編入され、自治体としての宮村は消滅しましたが、現在もその境界を示す石碑が残されており、往時の名残を伝えています。

地域内は、山、川、浦が織りなす自然豊かな景観が広がっており、農業と漁業が盛んに行われています。

地理

山

弘法岳
白石岳
白岳
松岳

河川

宮村川

浦

久津浦
佐々浦

町名

宮村は佐世保市への編入と同時に、郷・字が廃止され、新たに町名が設置されました。鎌倉時代以前には父賀志という地名で呼ばれていました。

各町の特徴

奥山町（おくやまちょう）
白岳の西斜面に広がる山林と棚田が特徴。国道205号線沿いの谷には放棄された棚田が目立ちます。
集落は少なく、宇都宮神社近辺の水田地帯に見られる程度です。
市内唯一の古墳であるテボ神古墳があります。

城間町（じょうまちょう）
宮村川沿いに南北に細長く伸びる地域で、宮支所や宮中学校などがあり、地区の中心となっています。
正蓮寺や「梅ヶ枝酒造」など、歴史的な建物も存在します。
近年注目されている防空壕「無窮洞」があります。

瀬道町（せどうちょう）
宮地域の北端に位置し、弘法岳の西斜面を利用した畑や棚田が広がっています。
旧平戸往還が通り、峠付近にはミカン山が多く見られます。

長畑町（ながはたちょう）
川棚町との境から宮村川河口まで東西に長い町域を持ちます。
長畑町交差点付近には商店や町工場がありますが、中央部は水田地帯、東部は山林、西部は半島の北麓という地形です。

南風崎町（はえのさきちょう）
南風崎駅があり、宮村川右岸の干拓地と白石岳南麓の傾斜地には集落や農地が広がっています。
ハウステンボス駅がある北部は急傾斜地が多く、山林がそのまま残されています。

萩坂町（はぎさかちょう）
宮村の中心部で、宇都宮神社への参道沿いに町医者や駐在所が並んでいます。
宮小学校の北側には水田とミカン山が広がっています。

宮津町（みやづちょう）
大村湾に面し、二つの入り江と丘陵地で構成されています。
小規模漁業とミカン栽培が盛んです。
かつては海水浴場がありましたが、現在は廃止されています。
鬼塚古墳から鉄製武具類が出土しました。

交通

鉄道

大村線
ハウステンボス駅
南風崎駅

バス

西肥バス
佐世保市営バス

道路

国道205号
長崎県道142号重尾長畑線

施設

公共施設

佐世保市役所宮支所
宮地区公民館
佐世保南風崎郵便局

教育機関

中学校
佐世保市立宮中学校
小学校
佐世保市立宮小学校

その他

佐世保市南部漁協
ながさき西海農業協同組合宮支店

名所等

舳峰峠（へのみねとうげ）
旧平戸藩領と旧大村藩領の境となる峠で、重尾峠とも呼ばれています。
付近には「番所峠」のバス停があります。

宇都宮神社
「宮」の地名の由来となったと伝えられています。

テボ神古墳
奥山町に所在する古墳で、石室のみが残っています。

無窮洞
宮村国民学校（現宮小学校）の児童らが作った防空壕跡です。

鬼塚古墳
宮津町に所在し、2013年に鉄製武具類が県下で初めて出土しました。

梅ヶ枝酒造
第9代大村藩主純鎮が屋号を命名。
2002年に国の登録有形文化財に登録されています。

参考文献

角川日本地名大辞典 42 長崎県

脚注

[脚注]

関連項目

佐世保市の地名
* 宮

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