宮島航路

宮島航路について

宮島航路は、厳島と呼ばれる宮島と本土、特に宮島口を結ぶ重要な交通手段です。この航路は観光客や地元住民に広く利用されており、宮島はその美しい自然と世界遺産に登録されている厳島神社で知られています。

現在の航路状況

近年、航路の利用者の9割以上が宮島口と宮島の間を往復しています。主に2つの運航会社がこの航路を担っており、1つは広島電鉄系の「宮島松大汽船」、もう1つはJR西日本系の「JR西日本宮島フェリー」です。これらの航路は、広島県道43号厳島公園線の一部として機能しています。

さらに、他の航路も存在しています。例えば、瀬戸内シーラインが運航する広島港からグランドプリンスホテル広島前を経由して宮島へ向かう「広島・元宇品〜宮島航路」や、アクアネット広島が運営する原爆ドーム近くの元安桟橋と宮島を結ぶ「世界遺産航路」があります。

宮島連絡船の歴史

宮島と本土を結ぶ航路の起源は江戸時代にさかのぼります。当時、廿日市や地御前から渡海船や番船が運航されており、地域の人々や参拝者の交通手段となっていました。1877年には国道が海沿いに変更され、この影響で参拝者が増加しました。その後、1878年に渡船業者による届け出が義務化され、1888年には業者間の申し合い規約が定められました。

1891年には地御前村阿品で十数隻の渡海船が就航し、当時の運賃は水夫1人の場合6銭から始まりましたが、業者間の競争が影響し、規約は守られないこともありました。1894年には再度業者間で申し合い規約が定められ、広島市の石井久平が小型蒸気船の航路を開設しますが、1896年には自然消滅してしまいました。

その後、1897年9月25日に早速勝三という実業家が赤崎海岸に桟橋を設置し、正式に宮島間の航路が開設されました。これが宮島連絡船の原点となります。1925年には広島電鉄の前身である広島瓦斯電軌が地御前駅までの宮島線を開業し、新たに「新宮島連絡船」が運航を開始しましたが、1931年には航路が廃止されました。

近年の運営

1939年には「合資会社松大航運社」が設立され、その後1957年に「宮島松大観光船有限会社」として組織変更。1958年には広島電鉄が出資し、その後「宮島松大汽船」となりました。1987年には国鉄分割民営化により、宮島連絡船がJR西日本に移管されます。そして2004年には再び組織が変更され、「宮島松大汽船株式会社」として登場しました。2009年には宮島連絡船がJR西日本宮島フェリーに移管され、現在も多くの人々に利用されています。

この航路は、歴史と自然を提示する重要な交通手段であり、観光客や地元住民に愛されています。

もう一度検索