宮崎牛

宮崎牛とは

宮崎牛は、宮崎県内で生産・肥育された黒毛和種の和牛であり、日本食肉格付協会の格付けで肉質等級4等級以上と評価された牛肉です。地域ブランドとして、その名は広く知られています。

歴史

1971年、宮崎県では肉用牛の子牛(素牛)生産が盛んでしたが、県外への出荷が中心でした。その後、県内で肥育から食肉処理までを行う一貫体制が構築され、1986年からは一定基準を満たした牛肉を「宮崎牛」としてブランド化しました。

2007年以降、「全国和牛能力共進会」で内閣総理大臣賞を3連覇するなど、その品質は高く評価されています。一方で、2010年には口蹄疫の流行により大きな被害を受けましたが、その後見事に復活し、再び数々の賞を受賞しています。

国際的な舞台でも宮崎牛は注目されており、国際線ファーストクラスの機内食や、アカデミー賞授賞式パーティーでも採用されるなど、世界的な人気を集めています。

定義

宮崎牛と呼ぶためには、以下の全ての条件を満たす必要があります。

品種: 黒毛和種
地理的表示: 宮崎県内で生産・肥育
格付け: 日本食肉格付協会の格付基準で肉質等級4等級以上

詳細な沿革

1971年：素牛生産から肥育・食肉処理までの一貫体制構築を開始。
1986年：宮崎牛の定義を制定。「より良き宮崎牛づくり対策協議会」が発足。
1986年：大相撲九州場所で、県知事賞として優勝力士に宮崎牛を贈呈。
1990年：アメリカへの輸出を開始。
1991年：牛肉輸入自由化。
1994年：香港への輸出を開始。
1999年：シンガポールへの輸出を開始。
2000年：宮崎県内で口蹄疫が発生。
2007年：地域団体商標に登録。
2007年：「全国和牛能力共進会」で内閣総理大臣賞を含む多数の賞を受賞。
2009年：県畜産試験場で冷凍精液が盗難される事件が発生。また、宮崎市で世界最大のハンバーガーが作られギネス記録を更新。
2010年：宮崎県内で口蹄疫が再び発生。
2011年：国際獣疫事務局から「清浄国」として認定。
2012年：アメリカへの輸出を再開。「全国和牛能力共進会」で内閣総理大臣賞を受賞。
2013年：JAL欧米線ファーストクラスで宮崎牛を提供。
2017年：「全国和牛能力共進会」で内閣総理大臣賞を3大会連続で受賞。
2018年：アカデミー賞授賞式パーティーで宮崎牛が初めて採用。
2019年：アカデミー賞授賞式パーティーで2年連続採用。ヨーロッパへの輸出も開始。
2020年：アカデミー賞授賞式パーティーで3年連続採用。
2022年：「全国和牛能力共進会」で内閣総理大臣賞を4大会連続受賞。

その他の宮崎県産銘柄牛

宮崎県には、宮崎牛以外にも以下のような銘柄牛があります。

高千穂牛: 西臼杵郡で生産された肉質等級4以上の牛肉。
宮崎和牛: 宮崎牛の基準を満たさなかったものの、一定の品質を持つ牛肉。
都城和牛: 都城市周辺で生産されるブランド牛。

宮崎牛の革

宮崎牛の革は、その繊維の細かさから、野球用グラブの素材としても利用されています。型崩れしにくく、適度な柔らかさを持つのが特徴で、プロ選手にも愛用されています。

関連情報

より良き宮崎牛づくり対策協議会
宮崎牛家族 番外編
宮崎牛赤富士特設サイト
JA宮崎経済連肉牛トレーサビリティシステム
* 宮崎牛（登録番号第55号）:登録の公示・登録産品紹介 - 農林水産省[[地理的表示]保護制度登録産品](https://www.maff.go.jp/j/shokusan/gi_act/register/55.html)

宮崎牛は、その歴史と品質へのこだわりから、日本を代表するブランド牛として国内外で高い評価を受けています。

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