宮本工業所 (富山市)

株式会社宮本工業所

富山県富山市に本社を置く株式会社宮本工業所は、建設事業と炉の製造を二つの柱とする企業です。長年にわたり培ってきた技術力と実績により、多様な産業ニーズに応えています。

事業内容

同社の事業は、建築工事、電気工事、タイル・れんが・ブロック工事、機械機具設置工事といった多岐にわたる建設事業と、様々な用途に用いられる炉の製造事業から成り立っています。製造される炉には、金属溶解・熱処理用の工業炉、焼却炉、そして火葬炉や産業環境炉などがあり、いずれも顧客の具体的な要望に合わせて設計・製造されるオーダーメイド製品です。

火葬炉分野における強み

宮本工業所は、特に火葬炉の分野において国内のパイオニア的存在として知られ、トップクラスの市場シェアを有しています。その技術力は高く評価されており、例えば、特許を取得している無臭火葬炉など、高度で専門的な技術を開発・提供しています。また、排ガスから熱を回収し、燃焼用空気の予熱に再利用する省エネルギーシステム「レキュペレータ」は、燃費を10％から最大30％（予熱空気温度500℃時で29％）削減できる画期的な技術として注目されています。

国内における火葬炉の納入実績は665件以上にも上り、この豊富な経験と実績に基づき、設計から施工、操作方法の指導、さらには納入後の保守管理やスタッフ派遣に至るまで、ハードウェアとソフトウェアの両面から一貫した手厚いサポート体制を構築しています。加えて、斎場運営の効率化を支援するため、24時間対応可能な予約システムも提供しています。このシステムは電話音声応答やパソコン入力に対応し、予約受付と同時に火葬炉や待合室の自動割り付けを行い、予約状況や利用履歴、炉の稼働状況などを一元管理することを可能にします。

独自技術と提携

同社は火葬炉以外の分野でも独自の技術開発を進めています。アルミニウム溶湯の品質向上に貢献する電磁石型攪拌装置（SMS）や、その進化形である永久磁石型攪拌装置（Eco-SMS）、アルミニウム溶解炉用の多機能除滓装置などがその例です。特にEco-SMSは、新機械振興賞経済産業大臣賞、発明大賞考案功労賞、素形材産業技術賞中小企業長官賞といった名誉ある賞を受賞しており、その革新性が高く評価されています。

技術的な連携も積極的に行っており、中外炉工業とは技術提携・業務提携を、新日本製鐵（現・日本製鉄）とは業務提携を結んでいます。さらに、富士電機、東芝といった国内企業に加え、韓国のHAN YANG INDUSTRY、オーストラリアのFURNACE ENGINEERINGなど海外企業へも技術供与を行うなど、国内外で技術を展開しています。

沿革と拠点

宮本工業所の歴史は、1927年（昭和2年）に富山市で宮本工業所として創業したことに始まります。1959年（昭和34年）に株式会社化され、その後、事業拡大に伴い全国主要都市に拠点を設けていきました。1976年（昭和51年）の東京支社開設を皮切りに、大阪、四国、九州、札幌、東北、名古屋、広島と、全国をカバーするネットワークを構築。生産拠点としては、本社/工場に加え、黒部第一・第二工場やMiBOXを整備しています。

品質管理体制を強化するため、2003年（平成15年）にはISO9001、2005年（平成17年）にはISO14001の認証を取得し、品質向上と環境保全にも取り組んでいます。これまでに多くの賞を受賞しており、技術革新への継続的な取り組みが認められています。

本社/工場（富山）、黒部工場（富山）、東京本店、名古屋支店、大阪支社、札幌支店、東北支店、広島支店、四国支店、九州支店など、全国に多数の拠点を持つとともに、富山県内には技術研究センターを設置し、先端技術開発を推進しています。これらの拠点と技術力により、全国各地の顧客に対して高品質な製品とサービスを提供しています。

同社の製品は、中外炉工業、日本特殊炉材、LIXIL、ノーリツ、イソライト工業といった代理店を通じて広く供給されており、火葬炉においては、旭川聖苑、いわき清苑、宇都宮市立悠久の丘、越谷市斎場、高岡斎場、大宮聖苑、高槻市立葬祭センター、名古山斎場など、全国の多くの斎場に納入実績があります。

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