宮本武蔵 般若坂の決斗

映画『宮本武蔵 般若坂の決斗』の詳細

『宮本武蔵 般若坂の決斗』は、1962年11月17日に公開された東映製作の時代劇映画です。内田吐夢監督がメガホンを取り、中村錦之助（萬屋錦之介）が主演を務めました。本作は、吉川英治の小説『宮本武蔵』を原作とした「内田監督・中村主演の『宮本武蔵』シリーズ」全5部作の第2作にあたります。

作品概要

公開日: 1962年11月17日
製作: 東映
監督: 内田吐夢
主演: 中村錦之助 (萬屋錦之介)
上映時間: 106分
フォーマット: 富士フイルムカラー、東映スコープ
配収: 3億241万円 (1962年邦画配収ランキング第5位)
受賞: 第17回芸術祭参加作品、第13回ブルーリボン賞技術賞（鈴木孝俊）

ストーリー

物語は、剣豪・宮本武蔵（中村錦之助）が、武者修行の旅の途中で様々な人物と出会い、剣の腕を磨きながら成長していく姿を描いています。特に、吉岡一門との対決が本作の見どころの一つであり、迫力のある殺陣シーンは観客を魅了しました。武蔵の人間としての葛藤や、剣の道への探求が描かれており、単なる時代劇アクションに留まらない、深みのある作品となっています。

キャスト

宮本武蔵: 中村錦之助 (萬屋錦之介)
朱美: 丘さとみ
お通: 入江若葉
お甲: 木暮実千代
お杉: 浪花千栄子
祇園藤次: 南廣
竹細工屋喜助: 宮口精二
胤舜: 黒川弥太郎
林彦次郎: 河原崎長一郎
池田輝政: 佐々木孝丸
渕川権六: 阿部九州男
陶器師: 吉田義夫
植田良平: 香川良介
木賃宿の親爺: 織田政雄
女主人: 村田知栄子
城太郎: 竹内満
若女房: 玉喜うた子
横川勘助: 国一太郎
吉岡清十郎: 江原真二郎
本位田又八: 木村功
日観: 月形龍之介
宗彭沢庵: 三國連太郎

スタッフ

監督: 内田吐夢
製作: 大川博
原作: 吉川英治
企画: 辻野公晴、小川貴也、翁長孝雄
脚本: 鈴木尚之、内田吐夢
撮影: 坪井誠
音楽: 小杉太一郎
美術: 鈴木孝俊
装置: 館清士
装飾: 佐藤彰
録音: 野津裕男
照明: 和多田弘
編集: 宮本信太郎

撮影について

ロケは奈良県春日山で行われ、2週間にわたる撮影期間中、血が噴き出すなどのショッキングなシーンが連続したため、見学者が卒倒し、警察が出動する騒ぎも起きました。このことからも、当時の撮影の熱意が伝わります。

併映作品

『若ざくら喧嘩纏』（監督：深田金之助、主演：松方弘樹）

評価と影響

『宮本武蔵 般若坂の決斗』は、その映像美と迫力あるアクションシーン、そして中村錦之助の熱演によって、時代劇映画の傑作として広く認知されました。内田吐夢監督の演出も高く評価され、後の時代劇映画に大きな影響を与えました。特に、殺陣のシーンは、そのリアリティと迫力において、当時の観客に強い印象を与えたと言われています。また、吉川英治の原作を忠実に再現しつつ、映画独自の解釈を加えた点も、多くの映画ファンから支持されています。

参考資料

東映株式会社総務部社史編纂 編『東映の軌跡』東映、2016年。

外部リンク

宮本武蔵 般若坂の決斗 - 日本映画データベース
宮本武蔵 般若坂の決斗 - allcinema
宮本武蔵 般若坂の決斗 - KINENOTE
Miyamoto Musashi: Hannyazaka no kettô - IMDb

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