織田政雄

織田 政雄（おだ まさお）

織田政雄（1908年1月6日 - 1973年8月30日）は、東京都に生まれた著名な日本の俳優です。本名は斎木政雄で、後に織田真佐男と改名しました。彼のキャリアは、舞台俳優として始まり、戦後には映画やテレビドラマに多数出演することで知られています。彼はその控えめな外見から主に脇役を演じていましたが、名監督たちの作品に頻繁に登場し、日本映画における重要な存在となりました。

来歴

織田は東京市牛込区早稲田（現在の新宿区）で生まれ、幼少期から演劇に携わります。彼は6歳で舞台に立ち、東京都立工芸高等学校を卒業後、1930年に尾上菊五郎が設立した日本俳優学校に入学し、第一期生として卒業しました。彼の同期には、後に名を成す俳優の三津田健や植村謙二郎がいます。

織田は、日本俳優学校劇団に参加したのち、関西新派を経て井上演劇道場に入団しましたが、1946年に新協劇団に移籍。その後は、1950年に真山美保とともに劇団ヴェリテ・せるくるを結成し、ラジオドラマを中心に活動を展開しました。1953年には亀井文夫監督の『女ひとり大地を行く』で映画に初出演しました。

映画キャリア

その後、彼は今井正監督の『真昼の暗黒』などの独立プロダクション映画にも出演し、日活とも契約を結びました。特に、『警察日記』シリーズや、名監督たちによる『幕末太陽伝』（川島雄三）、『楢山節考』（木下恵介）、『秋刀魚の味』（小津安二郎）といった作品での活躍が目立ちます。地味な役柄ながら、彼の演技は高く評価され、1960年には『笛吹川』と『濹東綺譚』でブルーリボン賞助演男優賞を受賞しました。

テレビドラマと後年

また、テレビドラマにも多数出演しており、彼の名は多くの名作ドラマに記されています。1964年、田坂具隆監督の映画『鮫』の撮影に向かう途中、脳血栓に倒れ、その後は自宅で療養していました。活動再開の機会を待つ中、1968年には『特別機動捜査隊』のエピソード「車椅子」にゲスト出演し、長い間のブランクを経て舞台に復帰しましたが、これが彼の最後の出演となりました。

最期

1973年8月30日、狭心症により東京都江戸川区の自宅で亡くなりました。65歳でした。彼の俳優としてのキャリアは日本映画の黄金時代を支え、多くのファンに愛され続けています。

代表作品

• - 映画: 『さくらんぼ大将』（1952年）、『幕末太陽伝』（1957年）、『秋刀魚の味』（1962年）
• - テレビドラマ: 丹波哲郎と共演した『人形師忠吉』（1956年）、『特別機動捜査隊』（1968年）など

その独特の存在感と演技力で、彼は日本の映画界に多くの足跡を残しました。織田政雄の名作とその功績は、今なお多くの人々に感動を与えています。

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