宮道弥益

宮道弥益について

平安時代前期に活躍した宮道弥益（みやじのいやます）は、貴族として歴史に名を刻んだ重要な人物です。彼は生没年が明確ではありませんが、従四位下の官位を持ち、宮内大輔の役職を歴任しました。さらに、醍醐天皇の外曾祖父でもあり、その血筋は特に注目されています。

出自

宮道氏の祖は日本武尊の子、稚武王または建貝児王とされます。愛知県豊川市には宮道天神社があり、ここでは建貝児王の子孫である宮道宿禰が祭られています。また、宮道神社が位置する京都市山科区では、日本武尊とその子を祀っており、宮道弥益の家系はそのように神聖視されています。彼の出自には諸説あり、景行天皇の子、宮道別皇子の血を引くとも言われていますが、詳細は不明です。

経歴

彼の経歴は非常に多彩です。清和朝の貞観4年（862年）には薩摩守に就任し、次の年には主計助を歴任しました。貞観9年（877年）には従五位下に叙せられ、主計頭としても知られています。元慶6年（882年）には従五位上に昇叙し、後に伊予権介や刑部大輔をも兼任しました。また、彼の娘である宮道列子は藤原高藤と結婚し、その娘が光孝天皇の皇子と結婚したことで、弥益もさらに位階を上げたと言われています。

さらに、彼は寛平9年（897年）に敦仁親王が即位することで、醍醐天皇の外曾祖父となったことが歴史的なポイントです。寛平10年（898年）には自身を祀る宮道神社が創設されるなど、その名は多くの人々に敬われています。加えて、彼の邸宅が寺院に改められたことも特筆すべきです。この寺は高藤の諡号を取り入れ、勧修寺と名付けられました。

伝承と説話

宮道弥益に関する伝承は『今昔物語集』にも登場します。この中で、彼は宇治郡の大領として描かれ、郡司としての具体的な記録はありませんが、貴族の一員としては確固たる地位を築いたようです。交野少将物語においても、彼は狩場として有名な交野郡の大領として言及されています。

官歴

弥益の官歴は次の通りです。

• - 貞観4年（862年） 薩摩守
• - 貞観5年（863年） 主計助
• - 貞観19年（877年） 従五位下（内位）
• - 元慶6年（882年） 従五位上
• - 仁和3年（887年） 兼伊予権介
• - 従四位下 宮内大輔

注記のないものは『日本三代実録』に基づいています。

旧跡・神社

彼の墓所は京都市山科区にある大宅寺にあり、そこには弥益夫妻のものと考えられる石塔が存在します。また、他にも弥益を祭神として祀る神社が複数存在しており、宮道神社はその一例として、その祖である日本武尊とともに信仰の対象となっています。

参考文献

これらの情報は太田亮や宝賀寿男、宮崎康充の著作に基づいています。彼の生涯と業績は、平安時代の貴族文化を知る上で非常に重要です。

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