富山県道65号富山大沢野線

路線概要

富山県道65号富山大沢野線（とやまけんどう65ごう とやまおおさわのせん）は、富山県富山市内に位置する主要地方道に指定された県道です。富山市の中心部に近い五本榎で国道41号から分岐して起点となり、市の東部から南部にかけて縦断し、終点である笹津字上平割でも再び国道41号と交差します。この終点地点では、富山県道67号宇奈月大沢野線および富山県道188号東猪谷富山線とも接続しています。路線の総延長距離、すなわち実延長は19,299メートルで、約19.3キロメートルに及びます。

歴史

この路線の起源は古く、大正時代に遡ります。1923年（大正12年）4月1日には、「県道大久保新庄線」として県道指定を受けていました。当時の経路は、上新川郡大久保町下大久保（現在の富山市下大久保）から同郡新庄町荒川（現在の富山市荒川）までの11,782メートルでした。時代の変遷を経て、現在の富山県道65号富山大沢野線として再編成され、1982年（昭和57年）12月23日に現在の路線として認定されました。さらに、1993年（平成5年）5月11日には、建設省（現：国土交通省）によって、地域経済や交通体系において特に重要な幹線道路としての位置づけを示す主要地方道に指定されています。この歴史は、富山市域の発展と交通ネットワークの整備がいかに進んできたかを示しています。

路線状況

全線が富山市内を通行するこの路線は、地域によって異なる通称で呼ばれることもあります。例えば、富山市内の一部区間では「草島東線」という別名が用いられています。また、富山県道65号富山大沢野線は、複数の他の県道と経路を共有する重複区間が多く存在するのも特徴です。具体的な重複区間としては、双代町交差点から中市交差点までの富山県道178号流杉双代線との区間、富山市小杉の小杉交差点から富山市布市の布市駅南口交差点までの富山県道43号富山上滝立山線との区間があります。さらに、富山市青柳新から終点までの富山県道188号東猪谷富山線との重複、富山市青柳新から富山市小黒までの富山県道35号立山山田線との重複、富山市二松付近での富山県道183号大沢野大山線との重複（二箇所）、そして終点に近い富山市坂本から終点までの富山県道67号宇奈月大沢野線との重複などが挙げられます。これらの重複区間は、周辺の交通結節点としての機能や、地域内移動の利便性向上に寄与しています。

地理と沿線施設

富山県道65号富山大沢野線は、富山市の中心市街地の東側を通り、南下して旧大沢野町域へと至るルートをとります。起点の五本榎で国道41号から南東方向に進み、富山環状線（富山県道56号）や富山県道121号新富山口停車場線、富山県道177号蓮町新庄線、富山県道316号稲荷町新庄線といった市街地の道路と交差します。双代町交差点で再び国道41号と接続した後、石金交差点では富山県道6号富山立山公園線と、中市交差点では富山県道3号富山立山魚津線といった主要な放射道路と交差し、交通の要衝となっています。さらに南下すると、富山県道174号上滝山室線や富山県道179号三室荒屋富山線など、地域を結ぶ県道群と交差し、富山市本郷町では再び富山県道56号富山環状線と接続します。富山市小杉および布市では富山県道43号富山上滝立山線との重複区間を通り、旧大沢野町域に入ると、富山県道68号富山外郭環状線や、先述の重複区間を含む多くの県道（富山県道188号東猪谷富山線、富山県道35号立山山田線、富山県道183号大沢野大山線、富山県道340号二松上大久保線、富山県道193号坂本長附線、富山県道67号宇奈月大沢野線など）と複雑に交差・分岐しながら南下し、最終的に笹津で国道41号に接続し、路線は終点となります。

沿線は、富山市の多様な都市機能や生活を支える施設が集積しています。交通網としては、あいの風とやま鉄道線の新富山口駅やJR高山本線の笹津駅といった主要駅、そして富山地方鉄道の本線、不二越線、上滝線の複数の駅（稲荷町駅、新庄田中駅、栄町駅、不二越駅、大泉駅、上堀駅、小杉駅、布市駅、開発駅）があり、公共交通の利用にも便利です。教育機関も多く、富山高等専門学校や富山県立富山南高等学校、不二越工業高等学校といった高等学校、富山市立の東部中学校、大泉中学校、山室中学校、大沢野中学校などの多くの中学校、そして富山市立広田小学校、東部小学校、山室小学校、堀川南小学校、船峅小学校などの小学校が立地しています。医療機関としては、富山県立中央病院のような基幹病院も沿線にあります。また、ジョーシンやヤマダデンキといった大型家電量販店、フェアモール富山やグリーンモール山室、アピアショッピングセンターといった商業施設、アルビスやマックスバリュなどのスーパーマーケット、V・drugなどのドラッグストア、オートバックスといったカー用品店、イオンタウン上飯野のような複合商業施設など、様々な種類の商業施設が充実しており、地域住民の生活を支えています。産業施設としては、不二越の富山事業所なども沿線に見られます。富山市内を流れる主要な河川である神通川の東側に沿って通るこの路線は、このように多様な施設を結び、富山市の交通と生活において重要な役割を担っています。

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