寒川郡 (栃木県)

寒川郡（さむかわぐん）

寒川郡は、かつて栃木県（下野国）に存在した郡で、現在の小山市南部の思川西岸にあたる地域でした。この記事では、その歴史と地理的特徴について詳しく解説します。

郡域

1878年（明治11年）に行政区画として発足した当時の郡域は、現在の行政区画では概ね以下の区域に相当します。

小山市（大字中里、鏡、網戸、楢木、生良、上生井、迫間田、寒川、小袋、井岡、下河原田および生駒の一部）

古代には思川の両岸地域だったものが、平安時代以降の中世には思川西岸のみとなりました。

沿革

古代 - 中世

734年 - 万葉集20巻防人の歌 4376に「多妣由岐尓 由久等之良受弖 阿母志〃尓 己等麻乎佐受弖 伊麻叙久夜之氣」という歌が収録されています。これは寒川郡上丁川上臣老によって詠まれました。
927年 - 延喜式神名帳に、寒川郡の阿房神社、胸形神社の名が見られます。
930年 - 和名類聚抄に、下野国寒川（さんがわ）郡の三郷として、真木郷、努宜郷、池辺郷が記載されています。
1187年 - 吾妻鏡に「小山七郎朝光母〔下野大掾政光入道後家。〕給下野國寒河郡并網戸郷」という記述があります。

野木神社は寒川郡七郷（迫間田、寒川、中里、鏡、小袋・井岡、網戸、下河原田）の総鎮守でした。

近代以降の沿革

明治初年時点では、全域が下総古河藩領でした。「旧高旧領取調帳」に記載されている明治初年時点に存在した村は以下の通りです。（13村）

中里村、鏡村、網戸村、馬場村、楢木村、生井新田、上生井村、迫間田村、寒川村、小袋村、井岡村、下河原田村、上河原田村

明治初年 - 馬場村が網戸村に編入され、12村となります。
明治4年
7月14日（1871年8月29日） - 廃藩置県により古河県の管轄となりました。
11月14日（1871年12月25日） - 第1次府県統合により栃木県の管轄となりました。
1876年（明治9年） - 生井新田が生良村に改称しました。
1878年（明治11年）11月8日 - 郡区町村編制法の栃木県での施行により、行政区画としての寒川郡が発足。下都賀郡栃木町に「下都賀寒川郡役所」が設置され、下都賀郡とともに管轄されました。
1889年（明治22年）3月12日 - 下都賀郡に編入され、同日寒川郡は廃止されました。

行政

下都賀・寒川郡長が置かれていました。

参考文献

「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編『角川日本地名大辞典』 9 栃木県、角川書店、1984年11月1日。ISBN 4040010906。
旧高旧領取調帳データベース

関連項目

消滅した郡の一覧

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