寺村信行

寺村信行は、1937年生まれの日本の官僚です。元国税庁長官であり、大蔵省（現財務省）において要職を歴任しました。

生い立ちと学歴

満州で生まれ、愛知県で育ちました。蒲郡市立形原小学校、形原中学校を経て、港区立青山中学校に転校しました。その後、都立日比谷高校から東京大学法学部三類（政治学）に進学し、1961年に卒業しました。大学卒業後、大蔵省に入省しました。

大蔵省でのキャリア

大蔵省入省後、最初の配属は銀行局金融制度調査官付でした。その後、名古屋北税務署長を経て、主に官房と主計局で長く勤務しました。銀行局での勤務は、入省時と総務課長補佐時代のみです。主計官（法規課）、同（農林水産担当）などを経て、1985年から2年間、官房秘書課長を務めました。

その後、主計局次長として昇進し、末席次長、次席次長、筆頭次長と昇格しました。秘書課長時代から大蔵省の主流とされる人脈を築き、経済企画庁官房長を経て、バブル崩壊後には、金融制度改革のために銀行局長に就任しました。

銀行局長時代には、日米円・ドル委員会合意文書にみる金融自由化・国際化の中で、金融システムの維持・再編強化に取り組みました。兵庫銀行や日本住宅金融（日住金）の救済策、釜石信用金庫の解体など、金融機関の再建・解体に関する難しい舵取りを行いました。

国税庁長官と退官後

1994年7月1日から1995年5月26日まで国税庁長官を務め、退官しました。

退官後は、ケンブリッジ大学客員研究員、国家公務員共済組合連合会理事長、中央大学法学部客員教授、帝京大学大学院客員教授、三重中京大学大学院客員教授などを歴任しました。また、日本興亜損害保険顧問や株式会社サンシャインシティ取締役など、企業顧問としても活躍しました。

同期入省者

寺村氏の同期入省には、野田実（衆議院議員）、濱本英輔（ロッテ球団社長、日本政策投資銀行副総裁、国税庁長官）、松野允彦（証券局長）、畠山蕃（防衛次官）、八木橋惇夫（沖縄金融公庫理事長、環境次官）、源氏田重義（大和銀行副頭取、印刷局長）、田中誠二（長野銀行頭取、税務大学校長）などがいます。

略歴

1961年4月：大蔵省入省、銀行局金融制度調査官付
1963年6月：関東財務局理財部
1964年6月：大阪国税局調査部
1965年4月：大臣官房調査課調査主任
1967年7月：名古屋北税務署長
1968年7月：理財局国庫課長補佐
1970年7月：大臣官房文書課長補佐 兼 大臣官房秘書課長補佐
1971年7月：主計局主計官補佐（地方財政係主査）
1972年7月：主計局主計官補佐（厚生第三係主査）
1974年7月：大臣官房調査企画課長補佐
1976年7月：銀行局総務課長補佐（総括）
1977年6月：大臣官房文書課広報室長
1978年7月：三重県総務部長
1980年6月：主計局主計官（法規課）
1980年7月：大蔵大臣秘書官（事務担当）
1982年11月：大臣官房参事官
1983年6月：大臣官房参事官（主計局担当）
1983年6月：主計局主計官（農林水産担当）
1984年8月：理財局資金第一課長
1985年6月：大臣官房秘書課長
1987年8月：主計局次長（末席）
1988年6月：主計局次長（次席）
1989年6月：主計局次長（筆頭）
1990年6月：経済企画庁長官官房長 兼 経済研究所長
1991年6月：理財局長
1992年6月：銀行局長
1994年7月：国税庁長官
1995年5月：退官

もう一度検索